お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2009年3月31日

来たよ来ましたインド映画 (eBay)


eBayで3月22日に購入した「Umrao Jaan」と24日に追加した「Dhoom: 2」が一緒に郵便で届きました。競りではなく「Buy It Now!」(出品者の販売価格)で購入したものです。eBayで購入するにあたっては、商品説明をよく見て、

  • オリジナル版であること(偽物ではなくても、一つの映画にいろいろなバージョンがあるらしいのです。たとえば全編か短縮版か、1枚組か2枚組か、ボーナス映像の有無…………等々)
  • 地域が「worldwide」であること(日本でもちゃんと見れるように。)
  • 英語字幕がついていること(物語を理解する手がかりが少しでもあるのと無いのでは大違いです。)
などを確認しました。(「Umrao Jaan」出品は1点のみでしたが、オリジナル版でなければ買いませんでしたよ。)

届いた品物を確かめました。どちらもインド製で、まず紙ジャケなのがエコです。中にはディスク以外に解説も別刷りの広告もなく、すっきり簡潔。肝心の中身ですが、ふだんはDVDプレイヤー(旧式)をテレビにつないでいないためMacに入れてみました。いずれも説明どおり絵が出るし、英語字幕も選択でき、一安心しました。(ここで説明と違う不都合があれば、売り手に苦情を言わなければなりません。一仕事です。)

映画はどちらも超美人女優のAishwarya Raiの出演作品で、一つは19世紀の古式ゆかしい恋愛世界、もう一つは現代+SFまがいのアクションものです。後者の「Dhoom: 2」を先に少し見ました。2006年製作。もう冒頭から信じられない活劇で、「嘘でしょう、かんべんしてよー」と笑ってしまいます。ハリウッド映画同様、派手過ぎる不可能なアクションをいかに本当っぽく作りこむかに腐心しているのでしょうが、な〜んか違う。ハリウッドが緻密なことをやると神経をすり減らされる気がして、テレビ広告を見ただけでうんざりですが、ボリウッドはほんとに大らか。「娯楽」の名の下に何でもありでございます。そしてダンスシーンは(2月に「Devdas」で仰天したとおり)ハリウッドの比ではないでしょう。こんな感じです。



彼女のダンスは一分の隙もなく、どんなに激しい動きでも実にしなやかです。本当にすごいと思います。ただ(彼女の責任ではないといえ)衣装がアレですけど…………何度か見れば慣れます。ところで映画を見て知りましたが、インド人てインド人どうしのお喋りなのに日常的にヒンズー語と英語がチャンポンなのですね。

今日負けたもの(eBay)


「逃がした魚は大きい」といいますが………… 入札者はずっと私一人でしたのに、残り1秒未満という最後の瞬間に持っていかれました。

入札金額は一定の幅でしか上がっていかない仕組みです。しかしmaximum bidという「公開されないけれど支払うつもりのある金額」というものを入力できます。それは他人に見えない金額で、そこが駆け引きになります。ちなみにこのブローチは最初の価格が4ドル99セントでした。似たブローチを町で見つけたときを考えたら千円以上出してもいいと思いましたが、maximum bidを6ドル3セントにしました。それによって画面上は4ドル99セントと表示されていますが、後に入札者が来ても6ドル3セントまで自動的に私は勝てるのです。その状態で何日も過ぎました。ところが落札の最後の一瞬に、一発で6ドル53セントをつけられてしまいました。ああ…………残念。

この品物は数日前に手に入れた美しいバスルーム・セット(ドールハウス用)と同じ出品者の所にありました。ミニチュアといっても陶製で重そうですから「バスルーム・セットだけに送料を払うのもナニだな」というオマケの気分でした。でも見ているうちにだんだん良く思えてきたんです。どうせ競るなら何人も入り交じるのを経験したかった…………と負け惜しみ。でも、こんなにエレガントなブローチは私に似合いませんね。

実は今日はお昼にも勝負が待っていました。今度は立場が逆で、私が先に入札者を最後の瞬間で負かすのです。小さいオモチャのような物ですが、形も絵付けも良く出来た楽しいシリーズ物です。その中の2つが今日でした。どちらも先に一人入札者がいました。しかし2つとも時間が同じなのです。勝てる金額を入力した2つの画面を出して手際よくクリックしなきゃなりません。準備を整え、呼吸を整え………… でもなんて小心なんでしょう、ドキドキして手が震えました。ともかくクリックすると…………どちらも負け。ぐったりしました。

後で落札者を見ると2つとも同じ人で、新しい入札者でした。(IDは一部を伏せてありますが、同じ人か違う人かはわかるのです。)そして他のオモチャも落札していることがわかりました。ということは、この人は私と同じにセットで手に入れたいと思ったのですね。納得。それなら許す。(また次の機会を狙っているため写真は省略します。)

落札のたびに少なからずドキドキします。何故?!と思いますが緊張が募るのです。これが快感に変わったら、あるいは何も感じなくなったら、完全にeBay中毒です。

2009年3月30日

ミッション・スタイルの家具(1)

写真は Aztec Import というドールハウスの総合メーカー/或いは販売会社のカタログから拝借いたしました。(場所はここです。)

小さいものが大好きで、eBayに際限なく並ぶドールハウスのミニチュアを見て喜んでいただけです。バスルームセットに興味を持ちましたが、家具を買うつもりなど毛頭ありませんでした。しかしこの家具を見たとき、「これは違う」と閃きが走り、むらむらと欲望がわき起こりました。イギリスのビクトリア朝スタイルやフランスの田舎風が主流かと思われるドールハウスの中で、これは何ともモダーンです。こういう家具なら自分の現実の生活と接点が持てます。初めて見たのにすっかり魅了されました。16.99ドル。値段も手頃です。

Pecan Mission Style Buffet for dollhouse…………それが商品名でした。どうやらピーカンは木材の名前で、ミッション・スタイルはデザインの名前のようです。ブッフェは家具の名前でいわゆるサイドボード。「ミッション」というとキリスト教宣教師を連想します。「クエーカー家具」のように宗教者の質素な生活から生まれた家具でしょうか。簡潔な直線のデザインが印象的ですが、天板の後ろの格子のような飾りにはマッキントッシュに通じる雰囲気があります。

そのお店には同じデザインの家具が他にもいろいろあり、どれも素敵でした。そこで何か特別なメーカーの製品なのかを問い合わせると、「お店でも人気のあるシリーズの一つだが、大量生産の普通のドールハウス用家具で特別なブランドの製品ではない、ただしメーカーでは製造の中止が決まっている」との返事でした。ええっ、大変。私の物欲が燃えてしまいます。そこでとりあえずここで7点、他のお店で1点を購入しました。

2009年3月27日

ドールハウスへ流れました

インド映画が見たくて数年ぶりに行ったeBayでは、お目当てのDVDがすぐに見つかり満足しました。しかしキーワードを入力すればYouTubeと同じに芋づる式で何でも次々出てくる所ですから、「バチック」でも「中国少数民族の刺繍」でも、きれいな物がダダダダ〜〜〜と出てきて驚きました。先日の展覧会で見た刺繍には及びませんが、ここではそれを買うことができるのです。物欲がフツフツとわきだします。そんなのを見ているうちに、とうとうドールハウスを見てしまいました。

前に広尾の「リュード・セーヌ」のディスプレイに木製の「バスルームセット」を使っているのを見て、オモチャの写真を撮るのに欲しいと思ったのを思い出し、ためしに検索したのです。するとこれまたダダダダ〜〜〜と出てきました。バスルーム・セットとは浴槽、洗面台、便器をお揃いのデザインで作ったものですが、子供の玩具から精緻なものまでよりどりみどり。見ているうちに「バスルームだけ」のドールハウスなら私にも作れるかもしれない、いろんなバスルームを作ってみたいという誘惑にかられました。

そして当然「キッチン」へ。「キッチン」では流し台やコンロをはじめ、戸棚、調理器具、食器、野菜、お料理、お菓子…………と小物が猛烈に増え、もう夢中で見入ってしまいます。

鉄道模型で「Nゲージ」などというように、ドールハウスにも縮尺の基準があるのでした。今回見て回ったところ家でも家具でも小物でも12分の1が一番多く、世界基準なのだと知りました。(1:12、1”、12th などと表記します。)12分の1の大きさとは1フィートのものを1インチで作るということです。家具、小物、動物など何でも共通の縮尺で出来ていますから、どこの国のどのメーカーの製品でも使える仕組みです。「ハーフ」という24分の1の基準もあるようですが、こちらはぐっと数が減ります。実際には遊びやすい大きさだと思います。とくに日本の住宅事情では。さらに16分の1というのもありました。

さて、ネット上のお店で販売している単品を次々見ていくと闇雲に欲しくなります。買えるならあれも欲しい、これもいいな…………。しかしこういう写真を見ると…………お金があっても駄目だとわかります。舞台をまとめ上げる構成力と、それを素敵に見せるセンス。(私に欠けているものです。)


(DollhouseMiniatures.comというドールハウス専門店の集まりのサイト内にあったBetseyさんという人の作品。「Italian Table」という題で、100ドルというのは、これと同じに作った完成品の値段でしょうか。写真は少し古い感じですから、これが発表された頃には今以上に人々が驚いたことと思います。往年の「家庭画報」の佐伯義勝の料理写真のようです。)

● 同じサイト内で他にもあるんです。なんて楽しい。まな板の上だけでここまで出来るなんて。一にも二にもセンスなんですね。

2009年3月24日

島らっきょう


私が勝手に「文化通り」と呼んでいる石神井公園北口の西友横の道に、「美ら島(ちゅらしま)」という沖縄物産のお店があります。いつも店先にワゴンが出ているのですが、その日たまたま道の反対側からワゴンに近づいてみると…………こ、これは「島らっきょう」では?! 畑から引っこ抜いて少し土もついているのが無造作にビニール袋に入って並んでいます。思わず一つ手にとって、「これ、島らっきょうでしょう?」と確認しながら店内に入りました。

沖縄の小さい島に親戚がいて、航空便で送ってもうそうです。店内には塩で漬けたものもありましたから、それも一束買いました。また「生のはお味噌をつけて食べるのよ」と言われ、せっかくですから売っていた久米島の「あんだみす〜」(甘いお味噌)も買いました。(帰り際に沖縄のフルーツ飴をもらったのですが、それが美味しくて、次回は飴を買いに行こうと思います。)


塩漬けは広尾の明治屋のよりしんなりとよく漬かったもので、しょっぱ目でしたが、食べはじめると止まりません。生のは皮をむくのと根を切るのが思いのほか手間で、漬けたものがちょっと高くても仕方ないと納得しました。とはいえ、生の島らっきょうの半分は塩漬けを試そうと思ったのに、家族とお喋りしながら皮をむきむきお味噌をつけつけ、たまにお塩を振ったりしながら二日で食べてしまいました。ほんとに後を引く味わいです。島らっきょうは380円、お味噌は450円。(3月20日)

2009年3月23日

数年ぶりの eBay

インドの女優さん、Aishwarya Rai が出演するインド映画が見たくなりました。このブログに書いた「Devdas」のDVDはインドカレーの「シャンティ」さんが見つけてきてくれたのですが、もう一つ「Urmao Jaan」も踊りのシーンが素晴らしくて見たかったのです。しかしイギリスのamazonにも見当たりません。それで随分たってから「eBayにあるかもしれない」と思いつき、数年ぶりに見に行きました。というわけでeBayの話をします。

eBayはヤフーオークションと同じネットオークションのサイトです。(個人や企業が売りたい品物を出品し、買い手が値段を競う公開市場です。)しかしアメリカ、ヨーロッパ、アジアの30ヶ国以上にまたがり、一つに登録すればどこの国でも取引ができるという凄い所です。前回は憧れのアリス・スターモアや三ツ葉屋さんが見せてくれたイギリスの編物の本が欲しくて行ったのですが、想像を超える宝の山で興奮しました。アメリカのeBayではイギリスからの出品も見たり買ったりできることがあり、ほんとうに凄いのです。欲しかった本のほとんどと、どうでもいいものを沢山手に入れました。(送料がたいへんでした。)



今度の目的のインド映画「Urmao Jaan」もすぐに見つかり、ついでにAishwarya RaiがMTVも青ざめる今風のすごいダンスを踊る「Dhoom 2」も買いました。インド映画専門の出品者でしたから、先月このブログで紹介したYouTube(「インド歌謡ショー」の一つ目)の映画のことを尋ねると、「Chhupa Rustam」だと教えてくれました。そのDVDは別の出品者の所に売っていましたが、購入を迷っています。英語字幕なしだからです。(それになんと、ブツ切り状態で映画全編がYouTubeにあるのでした。)

2本のDVDはオークション(競り)ではなく出品者の決めた値段での購入で、それぞれ9.99ドルでした。(そこに送料が4.99ドルずつ加わりますからあまり安くないかもしれませんが。)支払いを済ませ、今は届くのを待っているところです。しかし…………ひびの入ったお茶碗から自動車まで何でもある所ですから、見ているだけでも面白くて、ついつい徘徊してしまいます。その結果…………ドールハウスなどミニチュア物にはまってしまいまい…………いけない、いけないと思いつつ…………現在進行中です。

(さっそく気になった玩具のティーセットです。古い物ではなさそうですが、お盆の横幅が20センチ足らず。想像してくださいよ。現在32.99ドル。日本への送料は(重さがあるし割れ物ですから)31.75ドル。う〜ん…………)
数年ぶりのeBayは使い方が変わっていて最初は戸惑いましたが、明らかに前より良くなっている点があり、日々改善がなされているようです。ネットオークションでは普通の海外通販以上にたくさんの注意すべき事柄があると思いますから、こんどまとめて書いてみるつもりです。

2009年3月21日

オリエンタルな招き猫


石神井公園駅近く、私が勝手に「文化通り」と呼んでいる文化的な小さな通りに、数日前骨董屋さんが登場しました。「Verry Nice」という名前です。さっそくのぞいてみると…………お店に入って最初に目にとまったのがこの猫でした。西洋好みの伊万里焼きで、店主さんが20年前くらいに買ったものだそうですが、作った時期は不明です。色白で、全身に(脇も背中も)葉っぱと蝶々の模様があり金の縁取りです。左手には肉球もあります。身長14センチ。ちょうどいい感じの大きさ。

お店はイギリスの古い物を中心に、置物、アクセサリー、陶磁器、衣類、家具などいろいろです。他にも花瓶やアメジストの置物など気になるものがありましたが、いずれも私には高価でしたのでガマンです。伊万里猫もこの日は持ち合わせがなく、翌日までとっておいてもらいました。

さて猫ちゃんを無事引き取ったあと、友達の間で勝手に「おさる」とよんでいるYato Cafe(ヤトカフェ)に寄り、一服がてら写真撮影を行ないました。そして店主夫妻に自慢しました。するとマダムは「お店ができたのは知っているけれど、まだ見に行っていない、様子は如何」と問い、私が「少しずついろいろな種類の物があっていとをかし」と言うと、そのまま出て行ってしまいました。なかなか戻ってこないなあと思っていると、ニコニコして帰ってきて、とてもきれいな淡いピンク色の石のイヤリングとレトロなワニ皮のがま口を見せてくれました。私もいいなと思ったがま口でした。彼女も雑貨が大好きなのです。(3月20日)

2009年3月17日

ガザ地区緊急支援のクッキー


「ふぇあうぃんず」の商品の続きです。

ちょっとしか入っていませんよ。クッキーそのものは国産です。生産が追いつかないくらい人気だそうです。なぜなら…………仙台に「コッペ」という障害者の施設があり、もともとパレスチナのオリーブオイル、東北の小麦、種子島の砂糖などでオーガニックなクッキーを作っていたそうです。いっぽう「パレスチナと仙台を結ぶ会」という市民団体とパレスチナのオリーブオイル生産者を支援する団体があって、これをパレスチナ支援に使おうと企画した商品というわけです。代金500円から200円をパレスチナの聾学校に寄付するという仕組みです。4割寄付とはなかなか気前が良くていいと思います。オリーブオートミール・クッキー。小麦粉のクッキーに比べてすこし素朴な香りのする、おいしいお菓子ですよ。(私は試しに1袋だけ買いましたが、おいしかったからプレゼントにもいいし、またいくつか買いたいと思います。)100g/500円

ふぇあうぃんずのサイトの説明によれば、寄付先であるアトファルト聾学校はガザ地区唯一の聾学校で、ガザの障害者の支援センターでもあるといいます。少しでも役に立てばと思います。

● 「ガザ緊急支援」オリーブオートミール・クッキー

去年はこのブログでどらえもん基金、クリック寄付、日本赤十字や日本ユニセフなど、寄付について思うままを書きました。アクセスも多く世間の感心の高さを感じましたが、それは「何か人のためになることをしたいが本当にそれで良いのか」という、つまり大手メディアの大々的なキャンペーンに対する疑問の現れだと思いました。

寄付金では間に入る人がある程度の運営費などを「ピンはね」するのはしかたないこと(あるいは認められた権利)であす。またどの団体でも、具体的にどれだけの割合をどう寄付して、それがどれほど役に立っているかを確認するのは簡単ではありません。たとえ会計報告があっても、その数字が事実かどうかとか。(そこまで疑う人はぜひ疑って調べて結果を公表してほしいものです。)その意味ではこのクッキーも疑う人が疑えばきりがないでしょうし、私が何かを保証するものではありません。でも要は説得力の問題で、これはかなりいい寄付のしかただと私は思いました。(3月6日)

● ブログ内の寄付の記事は、画面再上部の紺色の帯にある「ブログ検索」で「寄付」を検索するか、右側の茶色いところにあるアーカイブの2008年5月分にある「寄付はお買い物?」等々をご覧ください。

パレスチナのオリーブオイル

土地を分断され人や物の移動にも様々な制限をかけられて、産業が成り立たず失業率がものすごいといわれるパレスチナ。でも輸出できる商品があったのですね。これは使いたいものですよ。高価なフランス製や特売のイタリア製のオリーブオイルもいいけれど、パレスチナのオリーブオイルも本物ですからね。500cc/1785円(250cc入は1123円)

● ふぇあうぃんず 通信販売でエコ製品、フェアトレードの食品、途上国支援の品々を購入できるお店のホームページ
(3月6日)

2009年3月8日

レイ・リケットさんのハンドバッグ


恵比寿三越で私が入りやすいのは映画館の隣の入り口です。そこを入るとまず「イベント・コーナー」です。週替わりでいろいろな種類の作家さんが作品を並べて展示即売する所です。今日は手提げバッグがたくさんあり、その無効には色のきれいな革製のバッグや一点物らしき衣服が並んでいました。でも私の目に飛び込んだのはこのハンドバッグでした。

思わず手にとって鏡の前に行くと、なんだか自分の体型に似合う気がしました。ニッコリ声をかけてくれた人がいて、きけばビックリ、作者のレイ・リケットさんご本人でした。(日本人です。)笑顔が素敵で、きっと一つ一つのバッグは彼女の笑顔を含有しているんだと思いました。

戦前の銘仙の着物の生地だそうです。レトロな色合いがとてもきれい。遊び心のある形。こういうバッグに何が入るか入らないか、そういう話は野暮というもの。アクセサリーだと思います。絹ですから季節を問わずに使えそうです。

内外のアンティーク生地を使い、生地の個性を生かしながら一つ一つみんな違う完全手作業のハンドバッグです。自由な素材と自由な形。工夫を凝らしたり、プリントを生かしたり、どれも明るく楽しいデザイン。尋ねると、お弟子さんやお手伝いはいなくて彼女が全部一人で作っているのですって! こんなにたくさん作るのは大変でしょうけど、なんと羨ましい。憧れてしまいます。恵比寿三越での展示は3月5日まででしたが、今後の予定は以下のとおり。(3月5日)

HAT + BAG + SMILE
(こちらでは帽子も出展するのですね。)
3月24日(火)〜30日(月)
そごう横浜店6階

● POP PUNK CAMP BAGS レイ・リケットさんのサイト。信じられない可愛いハンドバッグの数々…………

(3月21日にサイトを見ると、この記事を書いたときに見た作品はすっかり入れ替わっていました。でもやはり可愛らしい作品が並んでいます。折々のぞいてみる価値がありますよ!)

2009年3月7日

シド・バレットも好きでした

The Pink Floyd & Syd Barrett Story (DVD)
ナウオンメディア/2001年
本編49分、おまけ21分
3990円

真面目な美しいドキュメンタリーでした。ロジャー・ウォーターズの思いが伝わってきます。インタビューの合間に流れるシド・バレットの歌は、毎日聞いていた頃と同じにひかれますが、彼と親しかった人達がその音楽や言葉について語るのを聞くと、今日はもっと深く深く美しく聞こえました。ちゃんと歌詞を理解したくなりました。文学のように難しいでしょうが。

もちろんピンク・フロイドが好きで聞いていたからシド・バレットを知りました。70年代の前半、たまたま輸入盤で「The Madcap Laughs」と「Barrett」が一緒になった2枚組を買ったのと、「The Piper at the Gates of the Dawn」を買ったのと、どちらが先だったか忘れました。1967年のピンク・フロイドのファースト・アルバムは、「The Dark Side of the Moon」から聞き始めた人間には、むやみには捨てがたい雰囲気を感じるもののかなり面食らいました。いっぽう2枚組のアルバムは一度聞いたら忘れられない曲ばかりで、夢中になりました。力の抜けただらしないような歌い方で、何にも似ていず聞いたことがないのに、どの歌も懐かしくしみるのです。輸入盤で歌詞カードがないから、鉛筆を握り耳を澄まして一生懸命聞き取ろうとしました。彼が住んでいるというケンブリッジの町を歩くことに憧れました。そして立派になったピンク・フロイドなんかどうでもよくなりました。「Wish You Were Here」が出たときでさえ。でも今は聴きたいと思います。2枚組のレコードはその後CDを買いました。ずいぶん聞いていませんが、聞いても聞かなくても宝物です。

YouTubeに散らばっている動画の多くはこのDVDから出ていたのですね。でも全編通して見てこそ価値があります。ピンク・フロイドは顔で売っているバンドではなかったし、70年代のロジャー・ウォーターズは頬骨の出た長い顔としか思いませんでしたが、このドキュではとてもいい顔になっていて、心のこもった話し方がいいのでした。きっといい人なんでしょう。最初の出会いは8歳くらいだと言います。こんなふうに語ってくれる友達がいるシド・バレットは幸せだと思います。

ピンク・フロイドを離れた彼と一緒に演奏活動をしていたというロビン・ヒッチコックが、おそらく自宅の庭のベンチで、雷の音を気にしながら「雨の日に似合う」「一番好きだ」と言いながらアコースティックギターで「Dominoes」を歌います。字幕を読みながら、まったく違う声なのに歌のやりきれなさと彼の悲しみが溶け合うようで、自分一人で聞いたことしかなくて自分に見えることしか見えなかった歌の本当の姿を見るようでした。いいなあと思いました。おまけの映像には「It is Obvious」も入っています。歌は中断しますが…………。

でもブラーの一人、グレアム・コクソンがシド・バレットについて語るとは思いもよりませんでした。3世代も4世代も違うブラーが?! おまけの映像では「Love You」を歌うのです。驚きです。私がブラーを一度で気に入ったのは、こんなにシド・バレットを好きな人の音楽だったから?と思うのは、不思議な気がしていい感じです。

この数年後、シド・バレットも死にました。翌年には住んでいた家と持ち物や絵が売りに出されました。晩年の姿は、隠し撮りのような映像をついこのあいだYouTubeで見ました。坊主頭のデブ。誰これ? 若い日の面影はみじんもなく…………でもいいんです。別に、今さら、それが何なの。

このDVDは何年も前に恵比寿の写真美術館の売店で見かけました。そのときは手持ちがなくて買えなくてそのままでした。今はもう在庫だけかもしれません。そのうちにと思っていて廃盤になるのが一番嫌なこと。買ってよかったと思います。ところで、本編もいいけれど広告もいいのでした。ビル・ワイマンがブルースを語る「Blues Odessey」とマーチン・スコセッシの「私のイタリア映画旅行」。どちらも欲しくなる内容で、広告まで繰り返し見てしまいそうです。(3月5日)


Dominoes

It's an idea, someday
in my tears, my dreams
don't you want to see her proof?
Life that comes of no harm
you and I, you and I and dominoes, the day goes by...

You and I in place
wasting time on dominoes
a day so dark, so warm
life that comes of no harm
you and I and dominoes, time goes by...

Fireworks and heat, someday
hold a shell, a stick or play
overheard a lark today
losing when my mind's astray
don't you want to know with your pretty hair
stretch your hand, glad feel,
in an echo for your way.

It's an idea, someday
in my tears, my dreams
don't you want to see her proof?
Life that comes of no harm
you and I, you and I and dominoes, the day goes by...

2009年3月6日

段ボール3箱

3月2日にフェアトレード商品を扱うふぇあうぃんずというお店で、3日にはamazonでお買い物をしました。5日にamazoから、(クッキーの入荷を待って2日遅れで)6日にふぇあうぃんずから荷物が届きました。ほんの出来心で段ボール3箱。中身は本、お鍋、CD、DVD、食品、洗剤、日用雑貨でございます。

「バンザイなこっちゃ!」


バンザイなこっちゃ!
岡林信康著
ゴマブックス/2005年11月
1680円

出版はだいぶ前ですが、一ヶ月かけた書き下ろしで、日々の暮らしと音楽のこと趣味のこと故郷のこと自分のことを綴った本です。「オカバヤシはどうしているかなあ」と思う人に届けられた「こんなですわ」というお手紙のようです。

予想もしませんでしたが、岡林自身の絵がいっぱい載っています! 意外や意外、えらく達者なかわいい絵で、どれもカラーです。巻末には「紙芝居・信ちゃんの半世紀」。読む前からホンワカしてしまいます。

私はビートルズばかり聞いていましたが、世の中はフォーク・ブーム。いろんな歌が聴こえてきます。中学も3年になると岡林信康も聞きました。そのずっと前に「山谷ブルース」という歌があることを姉から聞いていましたが、お年玉でベスト盤を買ったとたんに世界が広がったかのようでした。ライブは3回行きました。中学のときに立教大学のタッカー・ホール(「性と文化の革命」にかけた「性と文化の音楽祭」というような題で、前売券を見た親が心配しました)、高校に上がってから日比谷の野音で。バックははっぴいえんどでした。3回目は一昨年の野音お「エンヤトット」。以前週刊誌のインタビュー記事で、エンヤトットに至る音楽の変遷を語るのを読んで共感をおぼえたからです。ですからこういう本も読んでみたくなりました。この人ですから、どんな話でも柔和な語り口でサービス精神豊かで、楽しい本に違いありません。(3月5日)

2009年3月5日

岡林信康の「ホビット」


金色のライオン(CD)
岡林信康
Sony Music Direct/2006年4月
(オリジナルは1973年発売)

ハタチくらいの頃、夜中に居間で一人おコタに入ってラジオを聞いていました。そこ岡林信康の歌がかかったのですが、おかしくておかしくて、おなかがねじれるほど笑いました。「ホビットに行くのは死んでももういやだ、ホビットへ行くのは死んでももういやだ…………」繰り返しが耳に残ります。曲名は忘れもしない「ホビット」。そのあとレコード屋さんに行きましたがその曲の入っているレコードが見つからず幾年月。ときどき思い出して探してみてもやはりなくて、気になったままウン十年…………。去年の秋にamazonで集中的に音楽を探しているときにこのアルバムを見つけました。でもこれだけ時間がたつと気分は少し屈折していて、すぐに買う気になれなくて、やっと今日手にしたというわけです。

歌の中に金沢大学が出てくるので、「ホビット」とは金沢にある喫茶店か何かだとずっと思っていました。しかし一昨年知ったことに、西荻窪のホビット村だというのです。驚きでした。70年代の半ば、高校以来の友人のIがホビット村に出入りするようになり、私も何度か行きましたから。それなのに一昨年まで知らなかったとは間抜けな話です。この歌の詳細な背景はIが知っていますが、彼女が教えてくれたいいサイトもあります。数年来放置状態のようですが、岡林に興味があれば是非どうぞ。

● 自分自身をもパロるファンキー岡林 Cilture Trush、「危ない歌」のファイルより

やっぱり今聞いても可笑しいのでした。ちょっとでもあの時代を覚えている人にはいい歌です。他の歌は明日以降少しずつ聞くつもりです。(3月5日)

2009年3月4日

インドの帽子とアジアの布



国際キルトフェスティバルでアジアの布を売っているお店で買いました。

<ミラー刺繍の帽子>
そうとうお気楽な縫製のインド製ミラー刺繍の帽子です。ミラーには「魔除け」の意味があるそうです。木綿地の小さい造りで、後ろ頭にかぶせる感じでしょう。夏のTシャツ姿に合うと思います。(こんなの500円でいいじゃないかと思いますけど。)

<イカットのストール>
いろいろな模様の絹のイカット(かすり織り)のはぎれを手縫いでつないだストールです。片面に3種類、反対側に8種類の布を不規則に(うまい具合に)配置してあって、どちらの面でも、二つ折りにしても広げてもいろいろな模様を楽しめるようになっています。きれいに縫ってあり、充分な幅と長さがあり、私の好きな模様がいくつも入っていて布のサンプルのようでもあり、思わず欲しくなりました。百の位をまけてくれて7千円でした。ちょっと高かったとは思います。(1月20日)

2009年3月3日

TBSラジオ「ストリーム」


以前はラジオで、ここ2、3年はポドキャストで毎日楽しみに聞いているTBSラジオの「ストリーム」が今月で終了するそうです。とても残念です。政治経済社会文化音楽スポーツ芸能…………真面目な話もおバカな話も何でもあり、何年聞いていても面白くて、世事に疎い私にはいい情報源でもありました。出てくる人も個性の強い面白い人ばかりで、たまに下ネタがあっても、全体に知性と品位を持った人達が楽しくやっている独特な感じです。バカバカしさに笑ってもテレビのように「くだらない」と思ったことは一度もありません。小西克哉のキャラが好きですし、松本ともこさんの話し方も声もいいし。こんにちのテレビではありえないラジオならではの内容と雰囲気、ラジオの良さを思い出すような、希有な番組なのに。

仮に来年復活したとしても、たとえ同じ顔ぶれだったとしても、一度終わると同じノリは戻らないものです。残念です。終了の理由には、不景気でスポンサーがいない、のびのび話し過ぎて外部から圧力がかかったなど、いろいろ噂がありますが。今月はちゃんとラジオで最初から最後まで聞くべきかとも思います。ラジオを調達しなくちゃ。

● ストリーム 番組のホームページ
● TBS RADIO STREAM ストリーム 33 2ちゃんねるのストリームスレ
● Wikipedia記事検索 番組にまつわる数々の出来事集

2009年3月1日

同窓会——特別な幸せ


写真は私が撮った下手くそなスナップの一枚。2月1日に催された高校の臨時同窓会のもようです。でも見ているうちに、そのまんま教室の休み時間みたいに思えてきました。適度にピンボケで、全員がおじさん・おばさんであることを忘れます。

高校時代の漢文のH先生が昨年帰国しました。先生は学校のいわゆる「名物教師」でしたが、ここ10年ほどは中国の大学で教鞭を取っていたのです。ということで有志が立ち上がり、120名余りが集まって、「H先生を囲む集い」という3学年合同の同窓会とあいなりました。

幸せな思い出があるのは幸せなこと。それを誰かと共有できるのはさらに幸せ。そして高校時代を懐かしむ私が特別に幸せだと思うのには二つの理由があります。

ひとつはKくんの8ミリ映画。彼は高校1年のとき同じ組でした。自分のカメラを持っている人など写真部員以外めったにいない時代、Kくんは学校で8ミリカメラを回していたのです。運動会や文化祭などの行事だけでなく、朝の登校風景、お昼休みや放課後にみんなが集まる中庭など、ふだんの生活もたくさん撮っていました。教室で上映会を開いて見せてくれたこともありましたっけ。フィルムはたしか一巻3分。音はありません。カラーもありますが、とても贅沢なものでした。3年間でいったいどれだけ撮ったんでしょう。1970年代はじめのことです。

数年前にKくんはそうしたフィルムを編集しデジタル化しました。同期会のサイトを立ち上げ、そのムービーを載せたり、DVDに焼いて希望者に配布しているのです。これってすごいことです! 写っているのはとうぜん彼のクラスと学年が中心ですが、自分が写っていない上級生も、当時の生徒のようすや共通のイベント、今では壊されてしまった中庭や校舎の風景に、懐かしくて涙が出ると言います。当時のKくんには想像もできなかったでしょうが、今では私達全員にとってかけがえのない宝物になりました。(私は彼の好みのタイプじゃなかったらしく、たまたま端っこにチョロッと写っているのがいくつか。合計で何秒にもなりません。しかしいうまでもなくムービーは写真とまったく違います。ほんとに夢のような気がします。)

もう一つは1999年と2000年に発表された群ようこさんの小説です。世間の評価は「かもめ食堂」に譲りますが、自身の高校生活を描いた上下2巻こそ(先輩の言葉を借りれば)奇跡のような宝です。私達はあのまんまの世界に住んでいました。彼女は私より一つ上ですから、ちょうど8ミリ映画とは逆で私は出てきません。でも大笑いして読みながら上級生の姿を次々に思い浮かべるし、同じ先生に教わったし、中庭で主人公の背景にいたり廊下ですれ違っている自分を感じるのです。それは誰にとっても同じで、この小説は同窓生それぞれの記憶にぱーっと眩しい花吹雪を降らせたでしょう。さらにみんなの気持ちを駆り立てて、同じ学年のHさんや下の学年のKくんが同窓会とは別の同期会を作るきっかけとなり、人々をふたたびつないでいます。こんどの臨時同窓会もこの小説の時代にいた3学年で行なわれました。

こんなふうに高校時代の思い出をムービーと小説で普遍化し共有できるなんて、日本中で私達だけじゃないかと思います。(假屋崎省吾さんは来るのが2年遅くてお気の毒デシタ!)

さて、2月1日の会には主賓のH先生に加え、K先生とK’先生もいらっしゃいました。はじめにそれぞれお話をしてくださったのですが、聞いていると三人とも「長い教師生活であの学校のあの頃が一番楽しかった」とおっしゃるのです。後でクラブの顧問だった現代国語のK先生に確認すると「そりゃあそうでしょう」と笑うのでした。なんだか不思議な気がしました。

というのも、私は高校時代(とくに前半)を本当に楽しく過ごしたんです。じっさいには笑っている時間より怒ったり嘆いたりフテくされていたほうが多かったかもしれませんが、一生懸命に力いっぱい生きていたと思います。学校中にすてきな人がいーっぱいいて、学校中に友達がいて、意地悪な先生もいやな奴も知らない人もひっくるめて学校全部を自分のものだと思っていました。その記憶は、しだいに友達と離れて、いろんなことが上手くいかなくて一人ぼっちだった時代にも私の支えでした。ですからどんな有名人の話を聞いても自分の高校時代のほうがずっと面白いと思ったものです。でもそれを言うと「誰でも自分の時代が一番だと思うもの」と、したり顔で返されるのがオチでした。私が一人で思い出を美化してるわけ? でも今、当事者たる人達が集まると…………やっぱりみーんなあの頃が好き。自分がいたのはそんな場所だったのだと改めて思いました。(2月6日)

会場には誰が持ち込んだのか、生徒手帳や喫茶店のマッチなど「思い出の品々」が展示されていました。その一つ、1972年の文化祭のポスターです。(群ようこさんも覚えているはず?)これは2年のとき私が描きました。全部をまかせくれたから好きにやり、片面がポスター、もう一面がプログラムで、文字は活字を使わず全部手書き。それを折り畳んたものを各人に配布しました。文化祭の間には道ばたに捨ててあるを見て少ししょげたものです。でも35年過ぎて、楽しかった思い出の一部として大事にしてくれる人達がいるのを知りました。大きな集まりのたびに誰かが持ってきてくれます。不思議な気がします。ありがたいことです。(やっぱりそちらの道へ進むべきだったのでしょうか…………)

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