お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2008年12月30日

クリスマスの飾り


30日。年末ですがお互いに都合がつき、神楽坂のPさんのお宅へ行きました。Pさんは年が明けるとすぐにアメリカに行く予定だというし、その後もちょっと忙しそうで、年内に借りていた本(日本の更紗の)を返したかったし、急いで見せたい本(モネのお料理レシピ)もあったからです。

玄関に入ってまず驚いたのは、両側の棚にも壁にもびっしりクリスマスの飾りがあったことです。(日本人の偽クリスマスには真似のできない雰囲気です。)中心にあるのは、厩の飼い葉桶に入ったキリストを東方の三博士が訪ねる場面のお人形で、その周りにいろいろなオモチャや小物を沢山並べています。クリスマスの飾りといえば日本人はクリスマスツリーやリースを思い浮かべますが、クリスチャンにはこの厩のシーンが一番大事らしいのです。(そりゃキリストの誕生を祝う日なのですからね。)前に親しかったアメリカ人の友人もそう言っていましたっけ。でもクリスマスは過ぎましたよ。クリスマスの飾りが好きだから? ……ではなくて、1月6日まで飾っておくのが本当なのですって。東方の三博士が訪ねるのが1月6日とかで? 初めて知りました。ですから居間のあちこちにも飾りがありました。しかしこの日はお正月の準備も進行中で、大きな鏡に掛けたクリスマスリースの下にお正月の花を生けたり、壁に門松をプリントした素敵な布を掛けたり……ふうん、へーえ、そんな感じで私も少しお手伝いしました。

お茶を飲んでおしゃべりして、スペアリブをトロトロに煮込んだおいしいのをご馳走になりました。帰りには旦那様の田舎から届いたばかりというお餅をちょうだいしました。骨の髄まで関東人の私には珍しい丸餅です。しかも中にアンコの入ったのもあります。(どこかの地方には、このアンコの入ったお餅をお雑煮に入れる所がありましたっけ。)Pさんみたいな人が、もっともっと沢山いたらいいと思いました。

2008年12月29日

「洗脳支配」

12月は経済や陰謀論でネットにかじりつきの日が多かったのですが、あちこち見て回るうちに変な動画を見てしまいました。昭和30年代の映画スター宅の応接間みたいな部屋にホワイトボードを運んだような場所で、(声の質はまるでオタクなのに)なにやらえらいデカイ態度と喋りっぷり。なにもの〜?! 



苫米地英人? 苫小牧の「とま」だけど……と探したら「とまべち」。「べち」。名前で「べち」って何かすごい響きです。

この動画は「洗脳支配から自由になる本当の科学的方法」というDVDのサンプルのようでした。明眸というか…………目がすご。その広告のキャッチは「自分を脱洗脳して無限の富を得る方法」とあって、1990年前後のニューエイジ商法みたいなきわどさです。また同じ動画サイトには他の対談やアメリカのディスカバリー・チャンネルに出演した番組のビデオもありました。実はこの人は脳科学の専門家で、オーム真理教が事件になったときカルトに洗脳された信者の脱洗脳(洗脳されたことを取り除く)をお上から依頼されたことで有名になったようです。

その後ネットで公開している「博士も知らない」シリーズの「天才会議」を見て、へ〜えと思いました。そんな頃に近所の本屋さんを見ているとこの本があったので買ってみました。


洗脳支配——日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて
苫米地英人著
ビジネス社/2008年3月発行/231ページ
1300円

<腰巻き>
お金の呪縛から自由になる方法/日本人が長年囚われてきた「勤倹貯蓄」という価値観が奴隷化を加速させてきた。本書では、支配者の本音を徹底分析し、あなたの不自由な心を解放する。/希代の納期農学者が明らかにする最新の洗脳研究報告書。
本書では、サブプライムローン問題の「カラクリ」を世界で初めて明らかにしています。/等々

2008年12月16日

昭和歌謡の心地よさ


マック愛好家ばかりの某コンピュータ音楽クラブに参加しています。近々恒例の忘年会+カラオケ大会があるとか、ないとか。とりあえず準備をしなきゃいけません。まず選曲です。そして練習用に素材を入手しなければなりません。

第一に好きな歌で、できれば受けのいいもの。(もっとも近頃は人の歌を誰もきいていないといいますが。)世代差のある集まりでその条件を満たすのは、超有名な、あるいは聞いたことがなくても昔の流行歌とわかる歌。次に今私が好きなマンガで、若い人達が子供の頃に見たか、今小さいお子さんがいれば自然と耳に入っているはずの歌。そして世代を超えた歌。というわけで、iTunes Music Storeに向かいました。

◆「星空に両手を」
以前3チャンネルのお子ちゃま番組に「ハッチポッチ・ステーション」というのがありました。(グッチ裕三が大活躍。)そこであるときお人形たちがこの「星空に両手を」を歌ったのです。私は子供時代に聞いたきりだったでしょうがしっかり思い出しました——「宝石なんかなくっても、心は夢のエーメラルドー…………♪」私の記憶では橋幸夫と誰かのディエットでしたが、ITMSで買ってみたら守屋浩と島倉千代子でした。驚きました。

◆「勇気100%」
3チャンネルのアニメ「忍たま乱太郎」のテーマ曲で光GENJIが歌っています。とても調子がよくて、かなり好きです。下の世代との宴会に備えてレパートリーに入れておくべき一曲でしょう。ITMSにはカバーしかありませんでしたが、アカペラのコーラスで、練習にはかえっていいかと買いました。

◆「真夏の果実」
サザンは大好きです。でもよく聞いたのは80年代。90年代に入るとレコードを買わなくなりました。ITMSを検索すると(ジャニーズ系同様)サザンみたいな大スターはないんですね。EXILEというバンドのカバーがあり、こういう歌い方は嫌いなんですけどそこそこ盛り上がっているからギリギリ妥協。練習用と割り切って。サザンの歌は世代を超えて宴会の最右翼ではないでしょうか。

◆それ以外では少し前に買った坂本九のCDから「ともだち」や「見上げてごらん夜の星を」なども候補です。昭和歌謡のポップス系では黛ジュンの「天使の誘惑」、天地真理の「さよならの〜言葉さえ〜♪」、自己陶酔して「夜明けの唄」などが好きです。

◆宴会用ではありませんが「おかあさん」。中田義直作曲の美しい曲です。私が子供の頃にテレビでよく梓みちよが歌っていました。ここ数年思い出しては懐かしくなる歌です。(秋に渋谷のヤマハの楽譜売り場で中田義直の楽譜を買い、あらためて正しい歌詞とメロディを確認しました。)私が欲しいのはあくまで梓みちよの「おかあさん」ですが、大ヒットではなかったのか復刻版のDCをいくら探してもみつかりません。ITMSには宗次郎のオカリナがあり、視聴するとそう悪くもないので買いました。(12月10日)


(追記)
その後カラオケ練習とは別に好きなのを買い足しました。

◆「いつでも夢を」
吉永小百合と橋幸夫の名曲。私にっても歌謡曲の黄金時代でした。

◆「お祭りマンボ」
美空ひばりの歌は好きなのときらいなのとあります。何というか、好きじゃない歌い方をする歌は苦手ですが、好きな歌い方をする歌では本当に上手いと聞き惚れます。好きなのは「リンゴ追分」やこの「お祭りマンボ」です。(12月12日)

2008年12月15日

これでいいのか? お金のしくみ

お金のべんきょうをしましょう。皆さん、ご一緒に。

この種のことを怖がる人もいますが、慣れなければいけないと思います。まずは知ること。怖がるのは後です。それで、いいのか悪いのか自分で判断しなきゃいけません。なぜなら、本当に怖いものが何なのかわからないことが一番怖いからです。(私は「今頃なにを言っているの? アップは1年以上前で、もうみんな知っているよ」と言われたらいいと思っています。)

おかねのしくみ5・ON HIP-HOP
アメリカの話じゃないかと言わないで。アメリカがクシャミをすると日本は風邪をひく(あるいは肺炎になる)というでしょう? 歌も気がきいています。(本編は20秒後に始まります。)


日本語字幕の中で「ordo ab chao」というラテン語が出てきます。調べたら意味は「order out of chaos」で、平たくいうと「staged event」だそうですから、「(派手な)演出、お芝居」ということでしょう。(この名前で911の写真を冠したサイトがありました。)また「financial spiderwebbing」ですが、これは辞書になくてナニですが、もしかしたら文字どおり「クモの巣を張りめぐらす」ことかもしれません。財務に関して早い情報や裏情報を得るために世界中に仲間を送り込む、というような?

Money as Debt (日本語字幕版)
2006年制作(日本語版は2007年?)「お金」とは「負債(借金)」のことなんだよというお話。お金はお札を刷って生まれたものではなく、銀行が貸し出した金額のことだというのです。(注・なぜか映像が始まるまで10秒くらいお待ちください。)


(字幕は音量の右の黒い枡をクリックすると入/切できます。)

よけいなお世話かもしれませんが、素人には難しい話もあり、理解しようと考えながら読んでいると追いつかないときがあります。ポインタを停止ボタンに置いて、いつでも止められる準備をしておくとよいと思います。あるいは最初から「テキスト版」を読むという手もあります。→ テキスト版

さて。「サラ金地獄」「多重債務者」といった言葉は個人の失敗や不幸として聞いてきました。でもこれを見ると銀行と国家の関係や経済のシステムじたいが同じ悲惨な蟻地獄のようです。近年かまびすしい環境問題さえまるでマッチポンプかも。

まんなか過ぎたところ(28分あたり)で4つの疑問が出てきます。基礎知識があって日頃からうすうすおかしいと思っていた人なら、ここから見ても興味深いかもしれません。

1 なぜ政府がお金を発行しないのか
2 なぜ負債のためだけにお金を作るのか
3 永遠の経済発展と環境保持は矛盾しないか
4 そもそも永遠に経済発展しなきゃいけない現在のシステムって何なの

続いて答えが提示されています。そこからいろいろ考えてみることもできるでしょう。(たとえば私は昔「0円札」を考えたのですが。すべてのモノとサービスが0円で、しかしタダではなく0円札との交換だったら、水飲み場に集まる動物たちのような秩序が生まれやしないか。つまり、必要以上にほしがる強欲が意味を持たないんじゃないか、と。赤瀬川原平のアートな「零円札」がヒントでしたが。でも、お金持ちも度を超すと、お金のためではなくて、お金を介して得る権力、さらに絶対的な権力(支配)のためにお金を欲しがるのでしょうか。権力志向に乏しい私は想像力の壁にはばまれます。)


関連の動画
● Monoply Men -- Federal Reserve Fraud 「連邦準備銀行の手口」(日本語字幕付/47分)

2008年12月14日

「なぞなぞケロロン」ふたたびっ!!!


本日、日曜日の夕方、ニャンチューが大活躍のお子ちゃま番組に「なぞなそケロロン」が復活しました。(いや、嘘です。私が今日気づいただけです。)私、ニャンチューは好きですが、一緒に出る女の子(ときどき変わる)のお絵描きの歌声が苦手で、この時間は積極的に視聴していませんでした。でもこれからは日曜日の夕方の楽しみが増えました。

私は大好き。いわゆるクレイアニメというやつです。わけても「ケロロン」は特別です。ウイットがあって、すみずみまだカワイくて、こんなの滅多にありませんよ。(でも誰が作ったか、どれほど手がかかっているかなんて考えないで見ます。そのほうが楽しいもん。)それに声のおねえさん(お名前失念しました。すみません)がいい声で、終わりに歌う変な歌も上手で、番組を最高に仕上げます。

3チャンネルの朝と午後5時過ぎのお子ちゃまタイムで毎日放送していましたが、この秋くらいで終わってしまい、がっかりでした。しかし調べれば……案の定……YouTubeにたくさんありました!
wakana0316さん、ありがとうございます。でもこれ、2カ国語同時再生なの。どうしたらいいんでしょう?





(追記:2011年6月5日)

● 「なぞなぞケロロン」のDVD 本日付で記事を追加しました。こちらもどうぞ。


(追記:2011年6月2日)
昨今「ケロロン」へのアクセスが増えていることから、本日調べてみたところ「教育テレビ「ニャンちゅうワールド放送局」で放送予定です。」だそうです。しかしニャンちゅうワールド放送局には具体的な予定の言及がありませんでした。待ち遠しいことです。しかしDVDが4種類販売されていることを知りました。興味がおありの方はこちらをご覧ください。(売っている所は他にもあるでしょうから、ご参考までに。)


(追記:2008年1月5日)
昨日上の動画を見ようとしたら、利用規約違反として削除されていました。いわゆる著作権の侵害というやつです。検索すると他の動画サイトにもいくつかアップされていた痕跡があるものの、いずれも削除済みでした。残念ですがしかたありません。

GoogleVidoにはダウンロードできるものがありますが(投稿者の設定しだいでしょうか)、YouTubeにはその機能がありません。削除されたらそれきり。とても人気があるのですからNHKはCD化すればいいのにと思います

ところがそのYouTubeをmp4でダウンロードするサイトがあったのでした。私だって著作権に鈍感なほうではないつもりですから、本当にいいんでしょうかネと呟きつつ、URLはここです。http://youtubemp4.com/ こんどケロロンを見つけたら試してみようと密かに考えています。

すごいアメリカ人(ロン・ポール)


(日本語字幕は音量の右の枡をクリックすると入/切できます。)

アメーバでzowgen2さんが投稿した動画を次々見ているうち「ロン・ポール発言集」というも見ました。ロン・ポールとは医師であり、アメリカのテキサス州選出共和党下院議員だそうです。こんな人がいたなんて!と驚きと感激をおぼえつつ、寄る年波の涙腺をゆるませながら見ているうち、これは追悼ビデオかしらと心配になりました。しかし最後まで見て(8分あまり)、選挙広告だとわかってほっとしたわけですが。その「選挙」が今度の大統領選だったとは……。

去年11月にアップされたものです。今年の9月より前の私なら、ここで語られているのが何なのかチンプンカンプンだったでしょう。でもこれは皆が知るべきことだと思います。(日本人もです。日本で「小さな政府」なんて言ってたあの時代、誰がこういう議論をしましたか?)では日本ではどうなっているんだ?と考えなきゃいけません。学校の宿題よりも大事かもしれませんよ。

日本でのオバマへの人気と期待はすごいものですが、どうなんでしょうね。オバマかヒラリーかとワイドショーが騒いでいる間に、共和党の代表選からこういう候補者が落ちていったわけです。結果マケインになり、副大統領候補はペイリンでしたね。(アメーバ動画は埋め込みができなかったので上はgoogleビデオの同じ動画を使いました。その)投稿者のanti-rothchildさんの解説によると、「共和党の候補者の中でも“泡沫候補”扱いされ、大手マスコミはなるべく彼の事は取り上げないようにしていますが、インターネットにおいては抜群の支持率を持っています」だそうです。でも万が一こういう候補が当選したら過去の例にたがわぬナニな結果になるかもしれないから、やっぱり落選してもいいのかもしれない、というパラドクス……

1年以上前にこの動画を見た人のブログです。(他にもたくさんいるでしょうが。)(私には難しそうで読みませんが紹介します。)

● ほんとうのことが知りたい!そして日本の未来を語りたい!
● 仙台インターネットマガジン

下は2008年9月10日にNational Press Clubで行われた共和党・民主党以外の政党や個人(Third Partyとよばれる)の大統領候補者による演説会。1ヶ月後の深夜枠でもいいから、こういう番組を日本語字幕つきで放送してほしかったと思います。アメリカが二大政党制だというほど単純ではないことがわかるでしょうし、迷惑な候補として名前だけは有名なラルフ・ネイダーの意見を初めて知るでしょう。そして、その後しばらくたって結果を見て、どうして彼らが大統領になれないのか考えるかもしれません。また大統領選の間中、日本のメディアは誰も日本に言及しない、中国のことばかりだと不平をこぼしていましたが、ロン・ポールは言及してるじゃありませんか。「他国への干渉をやめ、世界中の米兵を国に戻す、韓国と日本を含めて」と。



「自由とは、根付きさえすれば早く育つ植物なのだ——ジョージ・ワシントン」
「一人の勇気がマジョリティを作る——アンドリュー・ジャクソン」
オバマの「change」って何なの……


(追記:2月7日)内容がわかるようタイトルにロン・ポールの名前を加えました。
● このブログ内関連記事 検索キーワード: ロン・ポール、オバマ、大統領選

海外通販・交換の巻


海外通販で購入した商品の返品と税金還付の手続きについて書いた記事は、ドラえもん募金と並ぶ大ヒットでした。今回はそれほど切実なテーマではありませんが、返品と交換の体験談です。

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秋からの円高に便乗して Peruvian Connection でお買物をしました。10月はちょうどセール品を含む全品1割引のセール中でしたから、ウホホとばかり何点か買いました。というわけで、今回の失敗はスカートです。家に届いた紙のカタログで見たときから「すてき!」と思いました。目の細かい、しっかりしたニットの、とってもいい柄のスカートで、一番欲しかった物です。夏にデブったので、サイズ表をよく見ながら「M」にしました。ヒップは「M」ほどじゃありませんが、なにしろウエストがすごいからウエストに合わせました。しかし品物が届いて着てみると、いかんせん腰回りが大きすぎました。5センチは余分です。これなら少々ウエストがきつくても「S」じゃないと格好が悪いと思いました。

交換です。

ふつう商品と一緒に届く返品伝票に商品名、商品番号、返品か交換か、返品の理由など所定の事柄を記入して、交換の場合は何に交換したいかを書きます。そして品物と一緒に梱包して送ればいいのですが、できれば事前にメールで連絡したほうがいいと思います。ちゃんとしたお店なら返事がきますから、こちらの意志がつたわったことを確認できます。さっそくお店のサイトの「Customer Service」からメールを送りました。すぐに先方から具体的な返送方法と、「交換の場合、商品代金が同じか安い物との交換なら、送り直しの送料は無料」だと聞くことができました。

しかし、今回の私は少しケチ心を起こしました。商品が傷ものだったり注文と違うものだったり、お店に責任あがる場合をのぞけば、つまり自分の都合でこちらから返送するときは自己負担です。その費用がもったいないから、買ったものの中から絹のスカーフを返品することにしました。かなりお買い得でしたが、色が思っていたのと違うからなくても惜しくないと思ったからです。返品して29ドルが戻れば、EMSで返送しても送料が浮くという計算です。

梱包はありあわせの段ボールでちょうどいいのを使いました。(amazonのダンボール箱はこういうときに便利です。とっておくといいと思います。)スカートとスカーフは丁寧にたたんで、別の衣類を買ったときの不織布の袋に入れ、届いたときの梱包に入っていた薄紙で隙間をつめました。そこに伝票を入れてガムテープで止めます。(税金の還付申請をともなう返送のときは、封をしないで国際郵便局などに持って行きます。ただの返送ではしっかりテープで止めて近所の郵便局に行きます。)

EMSなどの伝票にはカタログ上の商品名、商品番号、値段を書きます。余白があれば、念のため注文番号も書いておくと、先方がわかりやすいと思います。郵便局で伝票を書くときは、そういう事柄を忘れずにメモして持参します。原産国の欄は、わからなければ書かなくても大丈夫です。(また送料が1600円ほどかかりました。もっと安く送りたかったのですが、郵便局の人がよく知らなくて面倒になってEMSにしたのです。ちょっと不本意。/本局のほうが詳しい人がいます。)

さて、その後厄介なことになりました。同じ包みの中に一つは交換、一つは返品+返金という所でお店が間違えたらしいのです。商品を送ってしばらくして届いた郵便の手紙では二つとも返品扱いになっていて、二つ分の代金を返しましたというのです。おいおい、そうじゃないってば。

それでまたお店にメールしました。「手紙を受け取ったけれど、私はスカートが欲しいんだ、交換したいんだ、前にメールを送ったじゃないか、スカート分のお金は受け取れない、「S」を早く送ってください……」そういう内容を書きました。私、とくに英語が得意じゃありませんから、単純な文章で要点を並べました。そして最後に「英語ではうまく説明できませんが、事情をわかってもらえたら助かります」と書きました。幸い意味は通じたようで、すぐに解決するという返事をくれました。

その後何日もたたず、今度は販売の部署からメールが入りました。ふだんネットで発注したときの確認メールと同じもので、私の欲しいスカートが書いてあって、ご注文ありがとうございますというのです。値段は定価で、私が買った1割引の値段じゃありません。私、注文していませんよ、交換ですよ。ここでまたメールです。「私は新たに注文していない。どうなっているのか。それに交換だから私が買ったときの1割引の値段のはずじゃないか?」と。するとすぐに「新しい品物を送るための手続きとして、返品・交換の部署から発注した分の確認メールである」「値段は間違いだから訂正する」という旨の返事がきました。

そして昨日、スカートを発送したというメールが届きました。荷物の込み合う時期ですから半月以上かかるかもしれません。年内に届いたらいいんですが。最初の注文からかれこれ2ヶ月。とまれひと安心です。(昔はみんな船便で、最初に荷物が届くだけで3ヶ月かかりました。これでも便利になったものだと思います。)

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海外通販といっても、ちゃんとしたお店なら(eBayのお店や個人でも)注文するだけで何事もなく済みますが、たまには自分の間違いでこういうこともあります。そうなるとやはり英語力が必要です。通信販売という限られた場面ではお客の言いたいことは限られているはずで、最低限の意思表示でもお店に通じるはずです。今は電子メールという便利な手段があるんですから、多いに活用しないと。

とはいえ、もし腹が立ったとしても乱暴な言い方は避けて、普通または感じのいい表現にしましょう。今どきあまり丁寧すぎるのも変ですが、ぶっきらぼうよりはましかもしれません。(英文は書けるが何が乱暴な言い方かわからないとしたら、わかる人に書いてもらいましょう。そのへんが判断基準だと思います。)書いた後には返事を読む力も必要です。海外通販では、英語ができなくても周囲に誰か頼れる人のいることが、楽しいお買物の最初の条件かもしれません。

● ブログ内には他にも海外通販の記事があります。ページ左上の「ブログ検索」に「海外通販」と入れてください。

(追記:問題のスカートは通常の日数で無事届きました。「S」でウエストもヒップもぴったりでした。いったん返金されて再度セール価格で請求された代金は2月5日引き落とし予定です。)

コニー・フランシスの「When The Boys Meet The Girls」



日本のamazonで買ったコニー・フランシスのベスト盤が昨日届きました。

「When The Boys Meet The Girls」を聞きたくなってITMSを見ると、アルバムで買うならCDのほうが安いという珍事。日本のITMSの値段はどうしてこんなに高いのかと思います。変です。

CDは輸入物で、彼女の60年代のポートレートがいっぱいのきれいな小冊子が入っています。歌詞カードはありませんが、最近は音楽ダウンロードのおかげでネットで歌詞の検索が簡単にできるようになりました。

「When The Boys Meet The Girls」は25年くらい前に、地元の西友の2階で500円均一で買った輸入盤のLPを持っています。当時はわけのわからないような外国の廃盤の山をスーパーで売ることもあったのです。そして当時の私は1000円持っていたらレコードを、500円持っていたら本を、ともかく買わなきゃいけない気分で暮らしていました。(従って、好きで買ったのではなく、知ってる名前がそれくらいだったから選んだのです。)ジャケットはベタで暑苦しい「シクスティーズ」のイラストで、同名の映画のサウンドトラック盤でした。似たような題名の「Where The Boys Are」が有名で、この歌はぜんぜんマイナーのようですから、映画は大したものじゃなかったのでしょう。しかしこの曲は最初に聞いたときから私のお気に入りになりました。

タタタ・タタタ・タタタ・タタタという「ロッカ・バラード」はあまり好きじゃないのに、おしなべて「好きじゃない」中には「例外」があり、それを見つけたときは嬉しいものです。この曲もその一つです。

コニー・フランシスは60年代前半の大スターで、誰でも知っているような大ヒットがいくつもあります。昔の歌手の歌唱力というものがよくわかります。聞いていていい気持ちです。

● コニー・フランシスの歌のお試し

(ジャケット写真の下の「Listen to samples」をクリックすると、CDの画面のままMP3用のサンプルが聞けるようになったのですね。下のCD用のサンプルより試聴時間が長いし、そのままMP3を購入できる便利な仕組みです。(日本からは買えませんが。)日本のamazon、遅れてます。)

2008年12月13日

広瀬隆「世界金融戦争」



「普及版・世界金融戦争——謀略うずまくウォール街」(上)
NHK出版/2006年9月/800円+税

広瀬隆は20年+ぶりです。前に読んだのはチェルノブイリの原発事故についての本で(「危険な話」)、たいへんなショックを受けました。それから「ドクター・ハマー」。最初は雑誌に掲載された「新宿に原発を」だったかも。つまり非常に信頼を感じたのです。その後ロスチャイルドの本が出たのを見ましたが、興味がないし本は厚いし、縁遠くなりました。でも今アメリカの経済危機を見るに至り、やはりまず読みたい人です。それがなんと1冊800円ですが、いきなり読みこなせないといけないから、まずは(上)だけ買いました。

腰巻きの言葉「サブプライムローンによる連鎖的破綻はなぜ起きたのか? ウォール街・金融機関の腐敗のメカニズム/原油価格の暴騰と、穀物価格の暴騰、それによる原材料価格の暴騰へと、池に石を投げ込んだように波状的に世界経済の暗部がじりじりと広がってきた。金融マフィアから飛び散った火の粉のため、とりわけ貧困国を中心に、生存の聞きに直面する暴動の時代を迎えたのだ。(普及版に寄せてより)」

「貨幣の経済学」



「貨幣の経済学——インフレ、デフレ、そして貨幣の未来」
岩村充
集英社/2008年9月10日/2300円+税

腰巻き「なぜ倒産しないのか?/巨額の財政赤字を抱える日本」

アメリカのお金(ドル)を作るのが民間企業だと知って驚き、日本もそうだとチラと聞いて「え?!」と驚き(じゃ、アメリカと同じことがありうるの?!)というわけで、日本銀行のことを知りたくなりました。この本は書店で見て購入しました。集英社の本は(とくに新書は)どうも内容が甘いという印象があり、2300円という値段は不本意でしたが、とりあえず知りたいことの基本が書いてありそうだと思いました。

お金というもの(貨幣)の始まりはじまり、金本位制、江戸幕府〜明治政府の苦労など、またお金がどう動いてどういう作用を生むか、そういった感じの本です。専門用語の嵐ですが文体は「ですます調」で、一応しろうと向けに「平易に」書かれているのだと思います。しかし所謂「陰謀論者」が指摘する、開国や明治政府へのロックフェラーの関与への言及はなく、幕府がお金を作っていたときから日銀がお札を刷るに至った経緯もすっとばしで、その点では正当派なのでしょう。でも基本は大事ですからね。

腰巻き(続き)……「バブル経済とその崩壊、勢いを失った日本経済、出口のない財政危機と目一杯の金融緩和、そんな中にあって深刻なデフレを引き起こすほどの強さを示し続けた円、それがなぜなのかを貨幣そのものを見つめ直すことから解いてみたい、そうした気持ちを、この「貨幣の経済学」という題名に籠めたつもりです。(「はじめに」より」)

(後から見ると、出て間もないのにamazonでは何故か古本しか売っていません。評価は……低い。あらためて腰巻きを読むと句読点が少し変だし、やっぱり集英社か……。ブツブツ)

「正しく生きるとはどういうことか」



「正しく生きるとはどういうことか」
池田清彦
新潮社/1998年5月刊/もともと1300円

池田清彦の本が届きました。この本の奥付では「日本における構造主義生物学の理論家のひとりである」と紹介されています。著書の中に「分類という思想」という題名を見て驚きました。私、これ、十数年前に読みましたから。失礼ながら、お名前をすっかり忘れていました。

著作は多く、今は養老孟司との共著2冊が大手書店で平積みです。トンデモ本との噂です。私は(上の本のことを忘れていたため)夏に「ニュースの深層」に出たときに知りました。バッサバッサと歯切れよく「CO2問題」を批判するのがお見事で印象的でした。ですからそちらの本をあらためて読んでみようとamazonを検索するうちこの本をみつけたのです。

この本は1998年刊で環境がテーマではありませんが、マーケットプレイス(古本の部)で2円でした。ですからああいう批判をする人が語る正しい生き方とはどんなものかと思って買ってみたのです。

私は古本でも古着でもあまり気にせず、気に入れば買います。「マーケットプレイス」では現物を手にとることができないので、状態の確認は売り手の説明が頼りですが、概して皆さん正直なのではないでしょうか。品物はきれいだし、梱包も丁寧で、今のところ困ったことはありません。むしろこの場合のような値段に戸惑ってしまいます。(「こんなに安いのだから他の本も一緒に買ってね」というメッセージだと聞いたことがありますが。)

2008年12月11日

行き着くところは……911

9月のリーマン・ブラザース倒産以来、アメリカの経済はどうなっているのか理解しようといろいろ勉強してきたのですが。

結局はここに行き着くようです。

Loose Change
「911の嘘をくずせ」(日本語吹替え版)2007年/123分



この動画で消えている冒頭部分の訳(他サイトの同じ動画より)
==========
2001年9月11日に失われたすべての命に捧げる
==========
「飛行機を乗っ取って世界貿易センターに激突するとは、誰も予想できなかった」
   国家安全保障担当大統領補佐官 コンドリーザ・ライス
     (カキカキカキ……)
「警告はたくさんあった」
   国防長官 ドナルド・ラムズフェルド
     (カキカキカキ……)
「警告はいっさいなかった」
   報道担当官 アリ・フライシャー
     (カキカキカキ……)
「米国政府は国民を守れなかった、私も守れなかった」
   ホワイトハウスと区別補佐官 リチャード・クラーク
==========

これは「第二版(second edition)」で、一つ目よりずっとカッコ良い出来です。ナレーションの声が若いと思ったら、作ったのがニューヨークに住む3人のハタチそこそこの男の子だというので驚きました。抑制のきいた理詰め、洗練された画面構成と音、カッコイイ。

ここに出てくる事柄のほとんどは(或いは全部は)事件の直後〜1年後にはネット上に出そろっていたと思います。でもそれをこのような揺るぎない形にまとめた努力と力量に敬意をおぼえます。

2008年12月10日

「恐慌前夜」



「恐慌前夜」
副島隆彦
祥伝社/2008年9月刊/1680円

リーマンブラザース倒産の翌日に発売、といういわくつきの著作です。そして「リーマンはつぶれる」とはっきり書いています。(わかる人にはかなり前から9月の第2週が危ないとわかっていたようですよ。)本当は「個人資産を守れ」を読みたかったのですが、近所の本屋さんにあったのがこれだったのでこれを買いました。

リーマン倒産に仰天してからにわか勉強をしてきたため、読んでいて目新しいことはありませんでした。というか、読みやすく理解しやすかったということです。あちこちでバラバラに見聞きしてきたことが一つにまとまっている感じで、頭の中を整理するのにいいと思いました。そういうことから、暇じゃない人が事態を理解するには効率がいいと思いました。文章は読みやすく、お話を聞いているような感じです。感情的な表現を云々する人がいるようですが、むしろ臨場感というのか、怒りの度合いがわかって、内容をわかりやすくしているかもしれません。

この副島隆彦という人は、ものすごい勢いで本を書き(出し)まくります。すでに90冊書いたといいます。この本の後にも環境問題の本を出したそうです。

2008年12月6日

かわいそうな二酸化炭素(?)

「地球温暖化詐欺」
The Great Global Warming Swindle

2007年3月にイギリスのテレビ局チャンネル4(BBCの一つ)が放送したドキュメンタリーだそうです。全体で80分弱です。4つに分かれているのは投稿上の都合で、内容はそれとは別の4つの部分に分かれています。80分が長いと思う人は2番目と4番目を見るといいと思います。気温に及ぼすCO2の影響を否定するところと、CO2排出規制がアフリカに代表される貧困国へ及ぼす影響に触れるところです。


あらあら、真っ黒け。削除されてしまったようです。
YouTubeにもありましたからリンクし直します。ただし8分割です。
(2)以降はYouTubeの画面から選んでください。(1月7日)

地球温暖化詐欺(1)

ニコ動は登録が必要ですが、そちらでこの番組を見ると
コメントが沢山入っていてまた別の味わいです。
(コメントを消してみることもできます。)
ここです。









同じ所にこの番組を批判するビデオがありました。(追記:1月6日:これを見た人のコメントが面白いので、元のYouTubeを見るほうがいいかもしれません。画面をクリックしてください。)



この種のことでは(60年代のヒッピーやロックやサブカルチャーをカッコイイと思って育ったために)私はわりと早くから興味を持ったほうだと思います。運動に関わるほど熱心ではありませんが。その程度の印象でいえば、「環境問題」はある時期から急にメジャーになった、と思います。十数年前に出た「地球にやさしい」というキャッチコピーはずいぶん思い上がった言い回しで大嫌いでしたが、このコピーがかなり受けて浸透したのかもしれません。スーパーの袋を使わなければ地球が救える……わけがないでしょうに。とはいえ全体の関心が高まったでしょうし、きちんと考える人も確実に増えたのだとと思います。「温室効果」という言葉が出てきたのは20年以上前(80年代半ば)だったと思いますが、「地球温暖化」はいつの間に?!という感じです。私がぼんやり暮らしている間に景色が変わったかのように、すっかり人々を虜にしてしまいました。

私が子供の頃(60〜70年代はじめ)には「もう第四氷河期に入ってるんだって」「え〜、ほんと、こわ〜い」という会話が普通だったのですよ。

とはいえ子供の頃の冬はとっても寒かったし、20年前も今より寒かったのは確かです。暖冬の理由は番組では語られていませんが、この文脈で見ればCO2のせいではないのでしょう。少なくともCO2だけのせいではなさそうです。夏の暑さはアスファルト道路とコンクリートの建物が太陽から受ける熱と車の排気ガス等のせいだといわれており、猛烈な反論もないように思うのですが。

この番組を批判するビデオでは、大事なデータをごまかしていると言います。どちらが正しいか理系パーの私にはわかりません。しかし現実の問題とは、もはやそういう肝心なところを超えて、CO2+温暖化がセットになったことで、どこに影響が及び何が起こっているかということじゃないかと思います。

私は何につけ「みんなが賛成」することは「怪しい」と思うたちです。往々にして「反論を受け付けない状態」ということですから。というわけで、今はCO2削減運動のほうを「怪しい」と疑うのが好きです。私個人は無駄だらけ+CO2大排出の今風ライフスタイルを好みませんが、CO2を排出しないで工業生産は続けられません。ましてや、どうやってGDPを上げられるの? というわけで「CO2排出権取引」なのでしょうが、これにいたっては信じられません。CO2削減にならないんですから。日本人は一生懸命働いて稼いでGDPを上げて、その結果CO2を余計に出したといわれて巨額のお金をむしり取られるんですよ。取引所がオランダに出来たときには笑いました。チューリップなら、少なくともそこに球根があったのに。


(追記:1月5日)
子供時代の会話では「第四氷河期」と記憶しているのですが、ほんとは「第四」ではなかったようです。お粗末。)

2008年12月5日

アメリカの税金ですが

America -- Freedom To Facsism
監督アーロン・ルッソ(2006)

アメリカ人は普通に所得税というものを払っているのですが、実は法的根拠がないというのです。いきなり言われても何の話かと思います。とまれ、アメリカ人はいったいなぜ、誰に税金を払っているんでしょう?——という話です。内容とは関係なく5つに分かれており、それぞれ20分ほどです。


(日本語字幕が出なかったら音量の右の黒い枠をクリックしてください。)
続きは以下で。
(2/5)
(3/5)
(4/5)
(5/5)

● freedpmtofascism.com この映画の公式サイト

(追記)後で気がつきましたが、ロン・ポール議員がここにしっかり登場していました。

(追記:1月6日)
12月4日に2ちゃんねるでみつけたビデオでした。今日1ヶ月ぶりに再びこの映画を見ました。相変わらず字幕を追うのが大変ですが、これまでのお勉強の甲斐あってか前より頭に入る気がしました。国民の誰にもかかわる「所得税」に法的根拠がない?という所に始まるこのレポートは、ではなぜ徴収できるのか、そのお金は何に使われるのか、そのために国民がどんな被害を受けているか……等々を探りながら自ずと深みに入っていきます。ただ政府が国民から余計な税金をとっているという単発の話ではなく、実はいろいろな問題と絡み合った壮大な仕組みの尻尾であって……それは周到にアメリカという国家を別のものへと変容させている……というのです。そこには「陰謀論者」におなじみの話がいろいろほのめかされるのですが……もう「陰謀論」とはいえないんじゃないでしょうか。

この映画があるということは、多くのアメリカ人がこのことを知らない、或いは知っていても波風を立てずにいるということです。「所得税」という姿をとったお金のいかがわしさは、アメリカのお金のいかがわしさであり、そのいかがわしさはもう一方で現在進行形のアメリカの、破産寸前とまでいわれる経済危機をもたらしました。となればアメリカと(とくにお金のことでは)のっぴきならない関係の日本にとって全く関係ないわけがないのです。(いかがわしさの食指は日本にも伸びていて、金融機関を通して日本から巨額のお金を吸い上げている、らしい、とかナントカカントカ。)

この映画はアメリカの話ですが、アメリカ人自身がよく理解していないように、私達もあらゆる意味で自分の暮らしている世界についてよく知りません。誰だって日々の暮らしに忙しくてそれどころじゃないからです。でも「では日本は?」といちいち問い直してみる機会じゃないでしょうか? この映画が完全にアメリカだけの話だったとしても。

ときに日本の所得税は法律で規定されているのでした。収支の報告もなされているのでしょう。しかしアメリカの所得税が「独裁主義を授けるものになり、政府が人々を奴隷状態におくための手段だ」と言われた日にゃどう考えたらいいんでしょう? 日本では事情が違うと誰か即答してください。なぜなら国民総背番号制や住基カードの導入は多少の議論がなされたものの、その先に何を考えての話なのか、それは例によってアメリカの要望によるものだったのか、等々きりがないからです。

私はモロ冷戦時代に生まれて育ちました。アカ(共産主義)はコワイ、いや正しい、というこんがらがった時代の中、とりあえずこの国でノホホンと成長することができました。しかし物心ついてから高校に上がったくらいまで毎日の7時のニュースがベトナム戦争と学生運動ですからね。毎日ですよ。本当に、くる日もくる日も、文字通り毎日だったんですよ。火炎瓶投げてるおにいさんやアメリカのヒッピーをカッコイイと思ったりしますよ。でもときどき「国を思い民を思う賢い良い王様」が全部やってくれる国が一番いいんじゃないかと思いました。そうすれば権限など全部おまかせして、私達はただ日々の労働に励み、家族や仲間と楽しい時間を過ごして悩み少なく暮らせるでしょうから。ついでに王様が他の国々とも仲良くやってくれるなら、それが「独裁」だとしても何の問題があるでしょう? 

民主主義は「最良ではないが、今のところ一番いい仕組み」だというようなことを聞いたことがあります。そうなんでしょう。しかし民主主義は人々に負担を強いるものです。選挙をしたり、税の収支を確認したり、為政者を監視したり、裁判の公正を判断したり……そういう社会の仕組みを理解したり。民主主義を良く機能させるには国民に要求されていることがあまりにも多くて、現実にはそれで食べていける専業者以外、誰一人そんな暇はないのです。(そこで「メディア」がまさに「中間者」としてその役を担うはずですが、彼らの怠慢といったら!)その結果「無関心」の中で日々よからぬ事が起こり、まかり通っています。「主権在民」といわれながら、市民の生活の中でお上にからむ問題が起こるたびに一人一人は無力を思い知らされます。もしかして、民主主義とは実現困難な理想に過ぎないのでしょうか。それとも実現困難であることが織り込み済みなんですか? それを武力を使っても世界中に広めたいという人達がいる……。いったい誰にとって「一番いい仕組み」なんでしょうか。アメリカには、それでも「建国の精神」というものがあって、「建国の父達の精神に立ち戻る」という方法が説得力をもって残されているのをいつも羨ましく思ったものです。日本はアメリカによる民主化の(数少ない)成功例であり、私達の民主主義にはアメリカの「建国の父」なんか関係ありません。伝統は断ち切られ、もし私達が間違いに気づいたとき、一体どうやって何処へ戻ればいいんでしょう。

あ、そういえば私、ICチップの仕事もしたことがありました。ここで語られているのとは別の目的で商品の包装に埋め込むことや先端医療に応用する可能性を模索して、シリコンバレーの研究者達と提携してお仕事しました。接待で山歩きしたときはキツかった〜。あのあとどうなったのかなあ…………

2008年12月4日

5年前のNHKスペシャル

個人破産・アメリカ経済がおかしい
(NHKスペシャル、2003年4月放送)(49分)


アメーバビジョンでは思いがけない動画を見ました。ずっと気になっていた番組です。

5年前だったのですね。私が見たのは再放送でした。ある晩おそくテレビをつけたらやっていたのです。にわかに信じがたい話で、見終わったときには「一体どうなるんだ?!」と怖くなりました。ときどき思い出してもう一度よく見たいと思いましたが、手がかりがありませんでした。

去年8月にサブプライムローン問題が表沙汰になったとき、日本の株価も急落して大騒ぎ。「みんなあの番組を見ていなかったの?」と思いました。番組はクレジットカード地獄の話ですが、アメリカの住宅バブルのきわどさという深刻な問題を伝えていたからです。住宅価格の上昇が止まったらすべてが終わり。すでに足下はグラグラ揺れていました。危惧されたことは4年後に現実となり、そして今年の金融危機。今あらためてこの番組を見ると、起こっていることの根深さを理解する手がかりになると思います。


このたび見つけた関連の動画いろいろ
● アメリカ、カード社会の落とし穴——利子に苦しむ消費者達(1) 
 NHK/BS1「世界のドキュメンタリー」、原題 "Secret History of the Credit Card, 2004"、2005年3月8日放送(25分)
● アメリカ、カード社会の落とし穴——利子に苦しむ消費者達(2) 
 つづき(25分)
● 「広がるサブプライム・ショック——アメリカ、危機に立つ金融大国」 
 NHK/BS1「地球特派員2008」、2008年5月11日放送(49分)

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