お買物のはなし・新旧おりまぜスローにやります

2008年5月31日

臨時休業のお知らせ

主に通信環境の都合でしばらく休業いたします。
(無駄な出費がショックでしたし、写真なしでは気分もでません。)
とりあえず1週間ほど?
またのお越しをお待ちしております。

くずぽん

不本意な大支出

光ケーブルのメディアコンバータという器具の電源アダプタが壊れましたが、実は本体も変です。空のお弁当箱のように軽い箱です。うちでは壁に固定するような使い方ができず、部屋の隅にころがした状態で、そこからコードを伸ばしてMacにつないでいました。ふだん動かすことも少ないのに、今手に取ると、なぜかネジが外れたように、中でカタカタいいます。メディアコンバータにも何かあったのでしょうか。これはプロバイダに交換してもらうしかないないそうです。しかし体調は悪いわ、部屋は散らかしているわ、プロバイダの都合もあるわで、すぐに来てもらうわけにもいきません。そのため今は臨時にダイヤルアップ(電話回線/56K)を使っています。光ケーブルに入ってからも、電話しかない場所でメールを開くことがあるために最初のプロバイダを解約していないので、こういうときにば予備になります。

しかしですね、今日は風邪の調子がまた悪くなって、午後銀行へ行き、ついでに食糧を買って帰るととても疲れて、夕方の「ぜんまいざむらい」が始まる前にぐったりしてその場で泥のように眠ってしまったようです。「にほんごであそぼ」は覚えているので、5時くらいでしょう。起きたら夜の12時前。そしてビックリしました。私としたことがインターネットの電話回線をつないだままだったのです!  ブログのアクセス解析を2〜3分チェックしたあと、7時間以上つけっぱなし!! ぎゃ〜っ!! ネットの接続料金と電話代、いったいいくら?! 1万円くらい?!

電話回線しかなかった頃には、インターネットの画面が5分か10分動かないと自動で回線が切れたものです。確かそういう設定があったのでした。あわてて確認すると、今は光ケーブルのつなぎっ放しが当たり前で、そういう設定がないのですね。トホホ、トホホ、トホホホホ‥‥‥‥

2008年5月28日

追記のおしらせ

5月21日付「募金‥‥‥‥善意の花園」、5月25日付「募金のいろいろ、やがてうんざり」の続きを足しました。(文章の変だった所もあちこち手を加えました。)

2008年5月25日

募金のいろいろ、やがてうんざり

5月21日付「『寄付は‥‥‥‥』追記しました」に追記して、タイトルを嫌味っぽく「募金‥‥‥‥善意の花園」に変更しました。


数日来風邪です。2日寝込んだ後も体は熱っぽさが抜けず、頭はぼーっとして、鼻ビービー、咳ゲホゲホ。1日1箱ティシューを消費しながら、おとなしく過ごしています。楽しいお出かけもお買い物もなく、その状態で募金のことなど考えていたせいか、頭痛がしてきたり、胃が痛んだり。楽しい話題ではありませんが興味がわき、いろいろ考えました。ブログの趣旨からは少々外れますが、文字数の多い雑談として、もう少し書きます。

すでに書きましたが、私には募金(とくに「募金キャンペーン」)に対して「しなきゃいけない」「しないよりはしたほうがいい」という感覚がないため、かまびすしい募金ブームに驚いています。これまで国内・外の大きな災害のたびにこうだったのでしょうか? 新聞社は昔からやっていますが、地上波テレビ、ケーブルテレビがあり、ネット上ではYAHOOやNIFTYがやっています。試しに「募金受付」でぐぐってみると、出るわ出るわ‥‥‥‥ナンジャコリャ〜状態です。「善意」のお金を出したい人がたくさんいるのはわかりましたが、「善意」のお金を集めたがる人がこんなにいるのか!と純粋に驚きです。もちろん人の善意は尊いものですが、何につけ誰も否と言えないものには「ほんとか?」と思う性分の私は、これは絶対に変だと思うことにしました。人々は日々の暮らしによほどの後ろめたさを感じているのでしょうか?

(つづく)

(体調不良でナマイキにも筆が進みません。おまけにマウスのプラグの接触不良と同じ日に、天敵の「電源アダプタ」(こんどは光ケーブルのメディアコンバータの)に問題が発生。現在なんとダイヤルアップで通信してます。とうぶん新しい写真のアップは困難と思われます。いろいろトホホです。またのお越しをお待ちしております。/くずぽん)

(つづく)


続き(5月28日)

はじめに余談ですが、このたびのミャンマーと中国の災害支援で善意のお金を集めている人達はふつう、集めたお金を日本赤十字社か日本ユニセフ協会に寄付するようです。海外の災害ですから、それら国際機関の出番なのでしょうが。(フジテレビは会長が日本ユニセフの役員であることからユニセフへ回すのでしょう。)その中で際立ったのはニフティです。壁紙をネットで販売して売り上げを寄付するというチャリティで、相手も「国境なき医師団」と個別であり、珍しく主体性を感じました。

さて、そのように募金についてあちこち見て回るうち、「クリック募金」という言葉を知りました。ネットを使った募金なら当然クレジットカードの引き落としでしょうから、いちいち氏名やカード番号を登録したり身元を明かしたり、便利そうだが嫌だな思いました。しかしそんなのは見当違いで、「クリック募金」とはこういうものでした。


クリック募金とは?
クリック募金とは、クリック募金サイト上の募金ボタンをクリックするだけで、無料で募金ができる仕組みです。あなたに代わって、スポンサー企業が寄付をするのであなたには一切お金がかかりません。

最初に見て面白かったのが「クリックで救える命がある」。13の大企業の名前が並び、一つの会社をクリックするとその広告が出るのでしょうね。するとその会社が1回につき1円寄付するという仕組みです。クリックは一人1日1回と決まっています(13社を1回ずつクリックすることはできます)。しかしこれほどの大企業ばかり。クリックを待たずにさっさとドカッと寄付すればいいのに?と言いたい気もします。

コスモ石油は「クリックで救える命がある」にも参加していますが、自身のホームページでもやっています。「ずっと地球で暮らそう」という嫌らしい名前の募金があり、8つの具体的な活動の中から好きなものを選ぶようになっています。野口健の「環境学校」など、思わずクリックしたくなります。

ためしに「シルクロード緑化」をクリックしてみました。
すると寄付の金額が出ました。本日886円、総額3,825,509円

前の画面に戻ると、8つの活動それぞれの写真に金額が表示されているじゃありませんか。

◆ 南太平洋諸国支援‥‥‥‥3,878,000
◆ シルクロード緑化‥‥‥‥3,825,520(画面切り替えの間にも増えている!?)
◆ 種まき塾‥‥‥‥1,313,029
◆ シンレイ山脈 森林・生態系回復‥‥‥‥1,044,476
◆ 熱帯雨林保全‥‥‥‥7,035,458
◆ 循環型農業支援‥‥‥‥2,447,936
◆ 野口健 環境学校‥‥‥‥2,439,183
◆ 学校の環境教育支援‥‥‥‥2,646,593   (5月25日のある時点)

ここは一人1日一つの活動に1回だけです。数千万回のクリック‥‥‥‥。10円寄付するのに10日間毎日クリックすることを思い出さなきゃならないわけで、毎日毎日広告が目に焼き付いて離れなくなるまでクリックさせるのが目的なら、クリックする側に負担だとは思わないのでしょうね。クリックする側にとって広告を見せられる対価が1円て‥‥‥‥妥当ですか?(ガソリンを買うカードを持っていると500円の寄付ができるそうですが。)

100万でも1000万でも、自分で決めてさっさと寄付せんかい! この数字の画面を見ていると、更にそう言いたくなりました。

私は車の運転をしませんからガソリン関連に無知です。こういう企業はふだんテレビで流れるCMでしか知りません。コスモ石油のCMは騒々しくないし、いろいろエコを支援しているというし、実は私、企業として比較的いいイメージを持っていました。だって砂漠の緑化、野口健‥‥‥‥あれ?‥‥‥‥あの中身がこれぇ〜?! 述べ数千万人のクリックとはいえ、こういう大企業の社会貢献にしては「ハア?」という感じのこの金額。実際の寄付金より、寄付しているという宣伝にいったいいくらかけているんです? 10倍や20倍ではないでしょう。アッケニトラレルとはこのことです。

現にこうして8つの活動を支援し、こういう活動とを紹介している点は買います。とはいえ会社のホームページに「当社はコレコレを支援しています」と書くよりも、見る人にクリックという動作を促すほうが、支援していることをずっと強く印象づけるでしょう。それどころか何日も続けてクリックしに来る人が沢山いることでしょう。しかも金額は見る人のクリックまかせ。金額が企業としての寄付の相場より小さくても自分のせいにはなりません。ナルホド頭のいいこと‥‥‥‥。でも、1000日かけて野口健を1000回クリックするのは「1000円に見合う広告を見せられている」だけのことです。用もないのに1000回この会社を思い出し1000回クリックすることに対して企業が払ってもいいと考える値段です。これが「募金」ですって? 野口健のために現金1000円集めることを募金というのです。

しかしもっと凄いのがありました。DONATION.JPというサイトです。FLASHの画面にこういう文字列が順次現れるのですよ。

分散設置型クリック募金 DONATION.JP

寄付はしたことがない。ボランティアまで行動できない。でも、社会貢献はしたい。街頭募金をみかけては、何もできない自分にもどかしく思っていました。

そんな、矛盾した気持ちを抱えていたある夏の日のひらめき。こんな、典型的日本人な自分でも、社会貢献できるスタイルはないんだろうか。

そんな素朴な疑問への答えが、クリックするだけでなく、バナーを設置することでも貢献できる、分散設置型クリック募金、という仕組みでした。

サイトオーナーの方へ(しくみの解説)

インターネットがもたらした、個人メディアの時代。数え切れない数のサイトやブログが存在し、今この時間にも増え続けています。

たくさんのサイトが入り口になり、訪問者が1秒の善意を提供するだけで、大きな、大きな、「善意のお金」が生まれます。

そのお金が、社会的に異議のある活動に循環していけば、今よりもっと、いい世の中に変わっていくのだと思います。

うへ〜、キモチワルイ! 甘ったれんのもいい加減にせいと思いました。クリック募金ができるブログパーツ(ブログの飾りに使える部品。音楽、アニメ、ゲームなどいろいろ)をアナタのブログに加えましょうというのです。これでアナタはクリックさえせず(してもいいけど)「社会貢献」ができるのです。アナタのブログに来た人がクリックするたびに募金がなされる仕組みによって、アナタは「よいこと」ができるのです、「社会貢献」ができるのです、「今よりもっと、いい世の中」になるのです、もう後ろめたくないのです‥‥‥‥

これはほんの一例でしょうが、コスモ石油のように自分のホームーページでクリック募金を展開できない小さい企業(スポンサー)を集めたものです。この DONATION.JP というクリック募金は2005年に開始したそうです。現在ブログパーツ/バナーを載せたブログやサイトは24万ヶ所(!)、スポンサーは現在(←間違い)3社、毎月安定して8〜9万円台の寄付を続けている実績が記載されています。クリック1回で5円寄付とは、大企業に比べてずいぶん気前良く感じます。(といっても各社は予め寄付金の上限を決めています。)そしてなんと寄付する先はクリックする時点では知らせないそうです。でもクリックする人は気にしないのでしょう。本当に寄付したのか、どこに寄付したのか、それは自分の考えに沿うものか‥‥‥‥5円を企業に出してもらっただけではそこまでしないのでしょう。お手軽な分、後のことに無関心になりがちです。こんな、誰に寄付したかもわからない「偽装募金」が「社会貢献」なんてチャンチャラ笑います。スポンサーもクリックする人も、どうして自分でやらないのか。それなのに延べ数十万人がクリック‥‥‥‥ (追記:「広告募金」という呼び名もありました。こういうサイトがいくつあるのか想像もできません。)

誰も寄り付かない募金箱に小銭を入れに行きにくい‥‥‥‥その気持ちはわかります。でも募金は(大金持ちは別にして)したい人はする、したくない人はしない、できない人はしない、そういうものでしょう? 「自分も何かしたい」なら一歩踏み出すしかないのに、一歩退いてクリックしてしまい広告に取り込まれている感じに見えます。この主体性のなさは何なのですか? 「社会貢献」コンプレックスですか? 昔ならどの町にも村にも青年団や消防団があって、自分が暮らす地域のためにするべきことが誰にもちゃんとあって、そこで充実感も得られたでしょうに。こういう社会貢献コンプレックスも地域コミュニティの崩壊がもたらしたことでしょうか。

募金は「社会貢献」の一つにすぎず、しかも間接的な支援です。「社会貢献」はもっと多様です。他人依存で主体性のないクリックよりもっと他にあるでしょうに。今日直接顔を合わせる誰かに1回「ありがとう」と言うとか、誰かに1回口角を上げてニッコリしてみるとか、人にぶつかったら今日だけは「こめんなさい」を言おうとか、毎日1回の心がけでどれだけ確実に自分の世界をいいものに変えられるでしょう? あるいは今の時代(1クリックの協力でも大きな力になると信じる人なら)、普段買うものをなるべく地元の商店街で買う、同じ買うなら社会貢献している企業の製品を買う、フェア・トレードのコーヒー豆が何なのか調べてみる、そういうことこそ社会貢献の第一歩ではありませんか。そういう想像力を放棄して何もしないことの免罪符に「クリック募金」がなっているなら、ずいぶん迷惑な話だと思います。

それとも私の空想はぜんぶ間違いで、実はネットカフェ難民がせめてもの思いでクリックしているのですか? どちらにしても「クリック募金」というものが生まれて栄える土壌が健全とはとても思えないのですが。


さて話は少し戻りますが、もし募金キャンペーンや募金団体のピンはねを知ってショックを受けた人が「募金をしたいと言う子供にどう説明すればいいのか」という疑問を抱くとしたら、「募金はもう少し大きくなってから」と言ってもいいんじゃないでしょうか。「マスメディアの報道 → 何かしてあげたい気持ち = 募金(共同募金キャンペーン)へ直結 (→ あとは知らない)」という図式は単純すぎると思います。この図式を無条件に「よいこと」として子供に刷り込んでしまうのはどうかと思います。

お金を出すからには、支援を求める人達がどうしてそういうことになったのか知るのが大事ですし、そこ以外にも世界で日本で実はたくさんの場所が支援を求めていることを知るのも大事です。そもそも自然災害の被災地の支援と世界の貧困地域の支援では微妙に意味が異なります。飢餓ビジネス、援助ビジネス、募金ビジネスという言葉もあり、本当はそのへんも無頓着ではいけないと思います。そうした事柄を理解するのは大人でも多少の努力がいります。寄付という行為は、むしろ起こっている問題に関心を持ち、少しずつ知り、考えるきっかけにしなければ勿体ないと思います。

もしかしたら「知ること」は子供がお小遣いを差し出すよりも大事かもしれません。また、人のために何かしたいという気持ちを尊重するなら、乗り物では老人に席を譲る、視覚障害者が信号で戸惑っていたら教えてあげる、荷物を落として中身をばらまいちゃった人がいたら拾ってあげる‥‥‥‥自分の家族に、お爺ちゃんお婆ちゃんに、友達に、ご近所に、通りすがりに‥‥‥‥日々の小さな出来事のたびに親や大人が手本を示すことで「何をしたらその人が助かるか、自分に何ができるか」ということを子供に教えていくことがひじょ〜に大事だと思います。そういう気持ちの延長として、遠くの知らない人達も助けたいと思う‥‥‥‥それが順番ではないでしょうか。


このブログ内の「緊急特集/募金」(右欄の〈累積資産・5月〉からもどうぞ)
● どらえもん募金......寄付はお買物?
● 募金‥‥‥‥善意の花園
● 共同募金の心得?

2008年5月21日

募金‥‥‥‥善意の花園

5月20日付「ドラえもん募金‥‥‥‥寄付はお買い物?」に追記しました。
とても長くなりましたが、思うところを読んでいただけたら幸いです。

公共募金の「ユニセフ」について…………2つめのブタちゃんの下です。


私はふだん寄付をしませんし、テレビの呼びかけるおバカ騒ぎの募金にも、通勤時の駅でうるさい赤い羽にも関心がなく、長いあいだ注意を払いませんでした。ケチと思われてもけっこうです。(国家的な災害には国家が税金で援助するものと思うからです。これは昔ビックリハウスの高橋章子女史の意見を読んで目からウロコ、禿げしく同意して以来です。もちろん能力のある個人が現場に乗り込んでお手伝いする真のボランディアは素晴らしいと思います。それは単にお金を与える支援ではないからです。私が寄付するとしたら、災害復興であれ文化振興であれ、特定の個人や特定の団体の活動に感銘し活動の継続を望む場合であり、そこに直接届く形で行ないたいと考えます。)

近頃はテレビをつけっぱなしにしている時間が長いせいか、テレビで繰り返しながれる募金の呼びかけがちょっと変だとやっと気づいたしだいです。世の中では既にスマトラの津波災害の頃(2005年)には、電話を使った募金に疑問を持つ人がたくさんいたことを知りました。しかしお金を集める側からは一向に説明も改善もないようで、同じ疑問が今もささやかれているのには、とても奇妙な感じがします。現実には圧倒的多数が無頓着に寄付してくれるから平気なのでしょう。

もちろんピンはねがあろうとなかろうと、集まった寄付金の多くは被災地などに渡るものと思います。しかしお上を信じて天引きされるままに払ってきた税金や年金が、蓋をあけたらとんでもないことになっていたように、善意に訴える寄付金も少しは疑ったほうがいいんじゃないでしょうか。僅かな金額だと思わず、自分が寄付したなら、後で収支の報告を探してみるくらいはしてみましょうよ。どういう団体なのか、その団体がいくら集めて誰に渡したか、多少のピンはね/経費に使われても仕方ないが、それが正直に書いてあるか、それが理解できる範囲か、それくらいは確かめましょうよ。それがお互いの意識を高める第一歩だと思います。

さて、メディアが集めた寄付金は大きくいって日本赤十字か日本ユニセフ協会に渡るようです。日本赤十字社は寄付金で自分の事務所を建てて問題になったことがあります。巨額の寄付金に専用のお財布がなく、全部一緒の「一般会計」に入ってしまうのは、どう考えても致命的。いっぽうの「ユニセフ」は、国連直轄の「ユニセフ東京事務所」(黒柳徹子)と、任意団体の「(財)日本ユニセフ協会」(アグネス・チャン)が、まったく別の組織であることは知っておいたほうがいいと思います。どちらがいいのか知りませんが。(由緒正しいのは前者ですが、トット・チャンが寄付を1円残らず本部に送金しても、国連関係って、まず最初にピカピカ事務所設営とインテリ人件費にメチャお金を使いそうな気がします‥‥‥‥気、ですけど。)

ところで今回の募金で善男善女が不当にも納めた消費税分は、日本国政府が出す支援金に上乗せしてくれるといいんですけどね。


(追記)募金のことがどうも気になり、ネットをあちこち回ってみました。基礎知識として、これだけは貼っておきたいと思いました。(5月22日)

● Wiki/国際連合児童基金 国連の「ユニセフ」について
● Wiki/日本ユニセフ協会 日本の「ユニセフ」について


(5月24日)上記リンクの一部を削除しました。

(追記)5月24日に以下を加えました。/6月2日に文末のリンク先を追加しました。

トットチャンのユニセフとアグネスチャンのユニセフが別のものだとは聞いていましたが、上に書いたことは少し軽率であったと反省しました。なにぶんろくに関心がありませんでしたから、この機会にひとつ調べてみることにしました。

日本ユニセフ協会の評判の悪さには驚きましたが、多くは寄付金の100%が子供達に使われるものと信じていた人達が経費などを差し引くことを知って憤慨したり、寄付の集め方(DMなど)を嫌がっているということのようです。特別な裏情報が流れているとしたら私は知りませんが、日本ユニセフ協会は別にインチキや詐欺の組織ではありませんし、他の国のユニセフと基本的に同じはずです。寄付金でビルを建てるのはどうかと思いますが、言ってしまえば日本赤十字も同じ。「誰でもやっていること」といえるのかもしれませんから。しかしいろいろ紛らわしいのは事実で、日本ユニセフ協会自身にちゃんと説明する気がないんじゃないかという印象は受けました。

はっきりさせるべき第一は、日本ユニセフ協会とは募金が仕事の団体だということです。ニューヨークのユニセフ本部(UNICEF HQ)が世界の子供のために「活動するユニセフ」なら、先進国を中心にいろいろな国にある「国内委員会(Committee)」は「お金集めのユニセフ」というわけです。(ユニセフから支援を受けた国は、あとで国内委員会というものを作ってユニセフ本部のためのお金集めをしなきゃいけないらしいのです。)日本では日本ユニセフ協会が「お金集めのユニセフ」で、民間からせっせと集めます。ほかにユニセフ本部の活動を伝える広報、政策提言も仕事とされています。ただしユニセフ本部もお金を使うだけではなく、各国政府からの莫大なお金集めは本部が行ないます。そこがわかれば、日本ユニセフ協会がサービス業に分類される任意団体であっても「インチキ」ではないと理解できるでしょう。

第二に、「ユニセフ親善大使 UNICEF Goodwill Ambassador」の問題です。これは一つの役職(名誉職)で、ユニセフの活動に広く注目が集まるように、そしてお金が集まるように、各国の国民的有名人に手伝ってもらおうといういうものです。(1)International/国際、(2)Regional/地域、(3)National/国内、と3種類あり、すべてユニセフ本部の公認です。(国ごとにどの大使が何人いるかバラバラです。詳しくはユニセフ本部の〈UNICEF People〉のページで。左側の項目から全ての「大使」の名前がわかります。)

大まかにいって「お金集めのユニセフ」がある国には(1)と(3)、あるいは(3)だけがいます。(1)のInternational はユニセフ本部が任命するもので、日本では黒柳徹子。1984年にアジア初の親善大使に任命されて以来の最古参。他にはデビッド・ベッカム、ジャッキー・チェン、バネッサ・レッドグレーブなど世界の名だたるセレブが International で、いわば花形。ユニセフ本部の広告塔として方針や活動を伝え、政府への働きかけもおこなうといいます。数えると28名(ベルリン・フィルも「1名」で数えます)。英・米には何人もいることから、あくまでユニセフ本部から世界へ向けての国際的な宣伝力が期待されるのでしょう。(3)の National は文字通り各国の「国内委員会」が任命するもので、知名度や才能をいかして広報にお金集めに、その国のユニセフを手伝います。日本では日本ユニセフ協会が選任したタレントのアグネス・チャン(1998年〜)と医師の日野原重明(2007年〜)。

(なお、日本では(1)を「ユニセフ親善大使」(3)を「日本ユニセフ協会大使」と区別していますがあまり知られていず、やっているのがどちらも海外支援のよびかけで紛らわしいのでしょう。ところでイギリスでは International も National も数が多く、(3)の中にはスーパーモデルのクラウディア・シファーがいるわ、サッカー・チームのマンチェスター・ユナイテッドが丸ごとだわ、大使とは別でイギリス独自の High Profile Supporter に歌手のビョークがいるわ、見るからに華やかです。胡散臭い外国人と老人という日本の National のショボさが際立ちます。しかしアグネス・チャンがニセモノ大使だというなら、こうしたイギリスの大使もすべてニセモノといわなければなりません。)

以上が私の理解で、まことに大雑把ながらそれほど間違ってはいないと思うのですが。役割分担もわかってきました。

しかし‥‥‥‥ここで初めてとっても変だということが見えてくるのです。日本にはなぜか国連の支部というものがあって、さらに面倒です。「黒柳徹子は渋谷の国連ビル内に事務所を持ち、国連のユニセフから任命された人だから、彼女だけが本物の大使だ」とか。でもこれは間違いで、みんな本物です。国連ビルにいるのはユニセフから選任された本物の親善大使だからではなく、ユニセフ本部の仕事をしているからのようですよ。(ユニセフ本部の該当ページ)彼女の海外視察を準備するのもここだそうです。しかしいったいいつからこうなったのですか? つまり、彼女の海外視察をテレビで見て「寄付しよう!」と思った一般人は、10円でも100万円でも日本ユニセフ協会にお金を差し出すのが筋です。その点では彼女が個人名義で募金の口座を開いているのは変なのです。(黒柳徹子の「お願いチャンネル」) 彼女がそうしなければならない理由は、ネットの噂にあるように「日本ユニセフ協会が寄付金をピンはねするから」ですか? こんな分裂はよくないし、公に正しく説明されるべきですよ。黒柳徹子を疑う人はまずいないでしょうが、彼女のホームページは何年も捨て置かれたような状態で、説明になっていません。もちろん世界の現場をたくさん見ている彼女は誰よりも寄付を100%使いたいと願うでしょう。でもそれならイギリスで同じことをしないベッカムはただのバカですか? 表に出ないもっと根深いものがあるのじゃありませんか? なぜなら日本ユニセフ協会のピンはねは巨額とはいえ、裏帳簿があれば別ですが、ユニセフ本部の認める範囲内です。本部への送金(拠出金)も報告を見れば2006年の実績で、イギリスが集めたお金の72%、オーストラリアが71%であるのに対し日本は82%ですよ。ベッカムにはありえないことが黒柳徹子には起きた‥‥‥‥のでしょうね。まあ、そのように、ニューヨークの本部や他の国のユニセフのサイトと見比べながら、日本ユニセフ協会のサイトをつぶさに見ているとですね‥‥‥‥第一に視覚的センスがそうとう悪いし、訴えるポイントがずれてますよ、このサイト。単に下手なのか周到な意図なのか‥‥‥‥でも‥‥‥‥普通に考えて‥‥‥‥ぜったい変です。私、何も知りませんよ。公式サイトを見ているだけですよ。はじめは面白おかしいネタになるかと思ったのですが、でもだんだんこわくなってきたので、もうやめます。

ただ、ユニセフ本部のサイトからジャンプした日本ユニセフ協会のサイトが空っぽなのはとてもみっともない、と書いておきます。今はどこも一番に「中国の地震被害に募金を!」と訴えているのに。

● ユニセフ本部のサイト 右側の日の丸でジャンプしてみましょう。

● 日本ユニセフ協会のサイト 噂ではネットで何か話題になるたびにページの削除や更新があるそうですが。
● 日本ユニセフ協会の謎 野良里蔵狸さんのブログ(2005年)。ネット上に数ある日本ユニセフ批判の一つ。100を超えるコメントも興味深く読みました。

(追記:6月2日)
● 2ch ニュース速報+ダイジェスト 2ちゃんのスレ「【ミャンマー】日本ユニセフ協会、サイクロン被災者支援のため緊急募金を開始」のダイジェスト版をみつけたので追加します。2ちゃんが恐い人でも安心して読めますよ。よくある噂とその語り口をまとめて見ることができます。ちゃんとした意見もあります。先月はじめ、中国地震の直前のものです。


このブログ内の「緊急特集/募金」(右側の茶色い欄の〈累積資産・5月〉からもどうぞ)
● どらえもん募金‥‥‥‥寄付はお買い物?(ドラえもん募金について)
● 募金のいろいろ、やがてうんざり(クリック募金について)
● そのた

2008年5月20日

ドラえもん募金‥‥‥‥寄付はお買い物?


テレビ朝日が「ドラえもん募金」をやっています。サイクロンのミャンマーと地震の中国、二つの被災地への支援です。電話を使った寄付は他にもあり、ドラえもんに限ったことではありませんが、とりあえずドラえもん募金について先日来思うところを書きます。

(1)消費税?
以前は(何年か前は)「電話一回で100円」といっていたと思いますが、このたびは「105円」です。どうも「100円のお買い物+5円の消費税」という金額に思えてしょうがありませんが、これは「消費税込み」ということでしょうか。驚きです。どうして寄付に課税されなきゃいけないんでしょう。しかも消費税を? 寄付は消費なんですか???

寄付を募る側は何を売っているんでしょうか? 私達、かわりに何も受け取りませんよ。たとえば「赤い羽」を「商品」と見たてて定価+消費税を支払えというなら、そういうのもありかなと思います。しかし「消費税パーフェクトガイド.com」を見ると、その「赤い羽」を例にあげて共同募金の寄付金は経理上「不課税取引」であると解説しています。「一方的な金銭の贈与で対価性がないため」です。別の専門家向けのサイトでも「したがって、寄付金、補助金、贈与などの無償取引は原則として課税対象にはなりません」と書いてあるのですが。

● 消費税パーフェクトガイド 共同募金等への寄付金の支払い
● 消費税という税金のあらまし はじめて課税事業者として消費税を申告する方へ

NPO向けの経理指南のサイトでは、寄付金を受け取った側の経理処理として、集めたお金を何に使うかで(そこに消費税が発生するか否か、等々で)税率が違うといいます。プロでも難しい計算になるそうです。しかしそれはお金を集めたNPOの経理処理であって、私達お金を出すほうの問題です。下のようなQ&Aがありましたが、読んでも理解できません。しかも回答者は匿名です。

● ドラえもん募金に消費税がかかるのはどうしてですか?

(2)手数料
ずいぶん前に(阪神の地震のときだったか、もっと後か忘れましたが)、電話で100円寄付をするアレは、100円のうち30円が手数料で70円が寄付の正味だと聞きました。(その話にしたがえば)千円寄付しようと10回電話すれば、300円が手数料、700円が寄付なのでした。ですから私は「70円寄付の100円コースと970円寄付の1000円コース」というように電話番号を二本立てにするとか、できるだけたくさん寄付できる仕組みにしてくれたらいいのにと思ったものです。事実は、現在は、どういう割合でしょう。テレビ朝日のサイトを見ても、募金の案内だけで手数料には触れていませんね。

どんな寄付でもたいていは運営費などの経費をピンはねするものです。以前ある募金の収支報告で、集めたお金の半分以上を「運営費その他」に使っている所を見たことがあります。でも後々思い出すだに明細を公表している分エライと思いました。ドラえもん募金もピンはねが事実3割なのか、3割が妥当なのかを含め、その点を明らかにした上で堂々と理解を促す努力が必要ではないでしょうか。

● テレビ朝日ドラえもん募金「新潟県中越沖地震被災者支援」募金結果のご報告

(3)収支報告
上の「ご報告」で、集まったお金の100%を日本赤十字と新潟県に寄付したとありますが、問題はその金額が「ピンはね後」ではないか?ということです。1回100円(または105円)で合計金額「71,527,692円」とあり、下3桁が「692円」というのがナニです。そして、ピンはねの事実を含め、ピンはねの割合、金額、使途はすべて不明。千万円単位のお金ですから、こんな不明朗会計はないと思いますよ。せめて何件の電話があったのか併記してほしいものです。

寄付してもらった側の日本赤十字のサイトを見ると、寄付の受付などの案内の場所はすぐにわかりますが、使った結果はすぐに見られるようになっていません。(ないかもしれません。)「よくある質問」にも載っていません。皆さんよほど無関心、ということでしょうか。

日本赤十字は決算報告をサイト上で開示しています。私はこういう表を読むのが苦手ですが「NHK海外たすけあい」などの海外支援の寄付金およそ160億円が一般会計に計上されているのを見つけました。(一般会計?!)しかしそのお金がどう使われたのか、どこを見ればよいのかわかりません。国内向けの寄付金はどこにあるのか、それさえわかりません。(支出には自分の建物の改修などが目立ちます。)元々いい噂ばかりではない団体ですが。素人から集めた寄付金なのですから、素人にわかるように、円グラフなど大雑把でいいから正直なものをわかりやすい所に載せてほしいものです。

● 日本赤十字社/よくあるご質問
● 日本赤十字社/決算報告

(4)結論
ドラえもん募金の寄付を受け取った日本赤十字も、当然そこから「運営費その他」をピンはねした金額を支援に回すのですから、二重のピンはねです。それなら直接郵便振替で日本赤十字に寄付したほうが無駄が少ないと思います。

それにしても日本政府が大好きなアメリカでは、(承認された団体への)寄付は所得税控除の対象だというのに、この国では本当に「寄付」から「消費税」を徴収しているのでしょうか。万が一そうなら呆れてものが言えません。

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以上が私の疑問です。今しばらく調べて、当方に誤解があればここに追記する予定です。
もし事情に詳しい方がいらしたら、ぜひ正しい情報をお知らせくださいませ。

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(追記)
さっそくこういう質疑応答を見つけました。(5月20日)
「どうして消費税?」という疑問にたいし、「ダイヤルQ2を使う都合で発生するお金」との答え。

● 新潟の地震の募金について 

ドラえもん募金はNTTのダイヤルQ2というサービスを利用しているという事情により、電話したとき向こうから聞こえる音声は「番組」であり、「情報料100円」の「商品」であるということ。100円の商品を買うのだから当然「消費税5円」を納める、という理屈。

それなら以前「100円」だったのはなぜ? それが本当なら、善男善女に周知徹底するべきですし、それをしたところで無意味な納税を強いるこの仕組みは間違っていると思います。

当然NTTは「1個100円の商品」を「販売する」ことから通常どおりの利益を得ているはずですよね。いったいいくらでしょう? (‥‥‥‥ああ、これが最初のQ&Aにあった「9%の免除」でしょうか?)
それとも、テレビでは「105円が寄付されます」と言っているのですから、事実上消費税は免除されているのでしょうか。そしてNTTは「1件105円」をまるまる募金に回すべく、システムの提供と代金の回収業務を完全無料のボランティアで行なっているのでしょうか? にわかに信じられませんが、もしそうならNTTが最大の功労者であるはずで、「NTTの全面協力により」くらいの枕詞をつけてやるべきではありませんか? テレビ局は呼びかけるだけで何もしないのですから。

しかし‥‥‥‥やっぱり何一つ明らかではありません。寄付を集める主体が何も言いません。募金とは、有名でも無名でも、国内でも海外でも、似たようなものかもしれませんよ。(しかも昨今は募金詐欺さえ横行しています。)ですから一般論として、「経費を含めた収支報告」を公表しない募金にはそのつもりで関りましょう。そして、できるだけ、「中間業者」のいない寄付がいいと思います。 

(私の経験内で信頼できるのはアフガニスタンで活動する中村哲医師のペシャワール会だけです。)

こういうものに「ドラえもん」の名を冠するなんて‥‥‥‥嫌ですね。


(追記3)ちょっとネットをぐぐると、多くの人が同じ疑問を抱いているのがわかりました。またメディア業界の募金はダイヤルQ2だけではありませんでした。(5月21日)

● J-comの募金オンデマンド 

不特定多数に接する「メディア」業界は大衆に訴える力にかけて絶大です。あの手この手で募金を呼びかけます。これは流行ですか? いったいいくつあるんでしょう。ケーブルテレビのJ-comでは、どうやらテレビの画面操作で寄付ができる仕組みのようです。「(105円、525円、1050円、3150円)うち消費税を差し引いた額が、救援金として、「日本赤十字社‥‥‥‥」と書いてあり、ここでは明らかに消費税がかかっています。消費税がかかっている時点で「公的」に寄付とみなされていないのですから、こういう募金行為はやめてほしいと思います。それでも寄付したい人は消費税分を含めた金額を日本赤十字社に直接送金しましょう。(日本赤十字社もナニですし、お金が被災地に渡ってからの使い道はさらにナニなのですから、せめて自分で省ける無駄は省きましょうよ。)

本当に善意であるなら、ダイヤルQ2を使うにしても、全テレビ局で電話番号を一つにすればいいのにと思います。すでに実績を持つ全国規模の一大善行プロジェクトとして、その電話番号だけは政府から特別に消費税免除のお墨付きをもらい、会計処理も一元化。(といってもNTTが集めたお金を日本赤十字に回すだけ‥‥‥‥のはず。)各局は現金に触れることなく、ただ宣伝に励み、後に会計報告を公開する場を提供する、という形にすれば合理的だし、ずっと透明です。(放送局は現行のとおり番組内で言及するだけ。経費もほとんどかかりません。)そしてNTTは無料奉仕のボランディアをかって出てもいいし、寄付金から相応額の報酬を得てもしかるべきと思いますけど。(なぜそうならないのでしょうね?)

いっそ日本赤十字社が主体となり、NTTを使って募金するのをメディア各社が宣伝する、という形にすれば一番無駄がなさそうです。テレビ局にとっても「本当のボランディア」ができます。(本当に善行なら。)


日本赤十字社の「海外復興支援活動計画」を見つけました。

● きもちのしるし、2007年3月号 PDFファイル

昨日は見つからなかった「報告」ですが、日本赤十字社のホームページにリンクがありました。下のほうの「その他」の欄です。活動報告は「その他」なんですね。(J-comの募金のページのリンクで知りました。)
このパンフレットには私の好きな「円グラフ」の会計報告が載っていました。スマトラ、ジャワ、パキスタンでの活動における寄付金の使い道です。「皆様から寄せられた救援金△△億円」を運営費、人件費を含めた100%の使い道を表にしています。ただしそれ以外の被災地の会計報告はは国内外を含め、記載がありません。「きもちのしるし」のバックナンバーはサイト上に載っていません。

しかしここでもう一つ「お金の入口」に触れてほしいと思います。日本赤十字社はNHKたすけあい、ドラえもん募金など多くの団体が集めた寄付金と無数の個人から直接送られた寄付金を受け入れています。日本赤十字社を信じて託した人達に感謝するなら、どの期間にどこからいくら受け入れて合計いくらか、目立つ所に別項をもうけて明記すべきじゃないでしょうか。この表の「救援金△△億円」という被災地別合計金額の書き方では、たとえばそれが50億円とすると、50億円受け入れたうちの50億円なのか、100億円受け入れたうちの50億円なのかさえ不明じゃありませんか。そんなことまで書いていたら素人には煩雑だというなら、こういう大きな組織では報告も3段階くらいにして、簡単なもの、少し詳しいもの、かなり詳しいもの、というふうに寄付した側の必要に応じた参照を可能にする工夫をしてほしいと思います。


このブログ内の「緊急特集/募金」(右欄の「累積資産・5月」からもどうぞ)
● 募金‥‥‥‥善意の花園(日本ユニセフ協会について)
● 募金のいろいろ、やがてうんざり(クリック募金について)
● 共同募金の心得?

2008年5月19日

「鼓笛隊の襲来」



「鼓笛隊の襲来」
三崎亜紀/光文社/1400円

TBSラジオのお昼過ぎの番組「ストリーム」のファンです。(ラジオがあればラジオで聞きますが、近頃はpodcastで聞くほうが多くなりました。)毎週木曜日には面白い本を紹介する「ストリーム・ブックレビュー」というのがあります。私は隔週登場して内外の小説を紹介する「豊崎社長」が大好きで、低い声、辛口で歯切れのよい語りがいいんです。彼女が紹介する本はどれもとっても面白そうですが、じっさい年季の入ったプロの読み手として高水準の本を選んでいるのだと思います。

私はここ十年以上ほとんど本を読みませんし、たくさん読んだ頃も歴史や思想が中心でした。主に小説を読んだのは二十代で、その後は、おおまかに言って村上春樹を最後にだんだん遠のいたように思います。ですから「ストリーム・ブックレビュー」聞いて「面白そう」と思っても、読むわけがなく、本屋さんに行くことはありませんでした。でも先週の木曜日に紹介された「鼓笛隊の襲来」は読んでみたくなりました。本屋さんで手に取ると200頁ほどの小さい本で、しかも短編集ですから、読みつけない私でも読めそうだと思い買ったのです! ちゃんと読み終えたら感想を書きたいと思います。


鼓笛隊の襲来
彼女の痕跡展
覆面社員
象さんふべり台のある街
突起型選択装置(ボタン)
「欠陥」住宅
遠距離・恋愛
校庭
同じ夜空を見上げて

という題名の短編9編が収録されています。「豊崎社長」がいうには「階段があると思ってなかったときの感じ」がする読後感なのだそうですが、私にとってはどうでしょう。(5月19日)

2008年5月18日

森永チョコレート、その感覚

私はチョコレートが好きで、スーパーで売っているような普通のミルクチョコが好きです。安売りがあればつい買います。今日はスーパーのレジに近い所で森永のチョコ安売りしていて、つい買いました。このブログでは好きな物の話を書きたいのですが、森永チョコレートにがっかりした話をします。

いつもと違って金色で、森永チョコレート誕生90周年という特別の包装だったのですが、帰ってよく見て気持ちが悪くなりました。どの人種の子供でも可愛い子供は可愛いと思います。しかしどうして90周年のチョコレートの包みに白人の子供の顔があるのかわかりません。しかもこの顔がキモチワルイというか、キタナイというか、とても嫌なのです。顔の上に「90」と数字を重ねるのも趣味が悪いと思いますし、写真の下には「おいしい笑顔云々」と書いてあります。どういうセンスか‥‥‥‥。もしこれが可愛い子供の笑顔だとしても、今でも白人が消費者の気をひくために有効なんでしょうか。日本の消費者とは未だにそういう感覚なのでしょうか。どうして日本の子供が笑っている顔じゃいけないんでしょう。どうして90年前の包装紙の復刻とか、その日本初のチョコレートを販売した社長さんの肖像ではいけないんでしょう。(5月1日)

2008年5月17日

ION のレコード・プレイヤー



(追記:08年7月27日)
このページへのアクセスが多いのですが、これは素人が広告を見て面白いなと思っただけの記事で、筆者は現物を見てもいなければオーディオに詳しいわけでもありません。検索して来てくださった方には何の役にも立ちそうになく申訳ありませんが、そこのところご了承ねがいます。

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今年の6月発売予定というION(アイオン)製「LPCOCK」です。「iPod ドック搭載レコード・プレイヤー」です。

どういうことかといいますと、まず昔ながらの「レコード」が聞けます。USBケーブルでMacに繋げばレコードの音をそのままデジタルデータに変換できます。ここまでは前の機械と同じです。しかしこれにはiPodドックというものが加わり、レコードの音楽をWAVデータで直接iPodに録音でき‥‥‥‥iPodの中身を再生でき‥‥‥‥という能力が加わったらしいのです。また他の音響機器に繋いで、レコード以外のアナログデータも取り込めます。もう一つ大きな違いは、レコード針の交換が専用針だけだったものが、ヘッドシェルごと自分の好きな針に交換できるようになり、いい針で聞いてきた大事なレコードを安心して再生できます。(2万9800円)私はアナログ・レコードもソノシートも捨てずに全部持っていますから(カルピスの懸賞で貰った「東京オリンピック」の実況も朝日ソノラマの「おそ松くん」も!)、余裕があればこういう機械が欲しいと思います。

しかし、冷静に考えると、この製品を最大限活用できる条件は限られる気がします。常にスピーカーに接続したターンテーブルを使える状態にあるということです。またWAVデータはサイズが大きいから、直接録音の良さを生かせるのは、たとえば毎週のように違う音楽をレコードから取り込んでiPodで持ち歩く、ということをしたい人の場合でしょう。

今の私であればアナログ・レコードをデータ化したいときだけこういうプレイヤーを出して、iTunesにまとめて取り込み、取り込んだものはそのまま貯め込み、後はMac(外部HD)かiPodからイヤレシーバーで聞くことになるでしょう。常にレコード・プレイヤーを出して大きなスピーカーと接続していられる環境であるなら、レコードの音のほうがずっと音質が良いのですからレコードで聞きたいもので、何もわざわざMP3の音を聴くことはないと思うのです。だとすれば昨年の「TTUSB05」(1万9800円)のほうが無駄がないでしょう。実質の違いは交換針だけということで、それをどう考えるか、です。

「TTUSB05」は同じくION製での「USBインターフェイス内蔵レコード・プレイヤー」で、去年アップルストアで見てカッコイイと思いました。ぼやぼやするうちに販売が終了してしまいましたが、他のお店では売っていたようです。12月に出たという「TTUSB10」は上の2機種の中間で、iPodドックはないが、ステレオミジジャックが付いていて、他の音響機器に繋げるというものです。しかしその違いで何故1300グラムも重いのかわかりませんが。でもレコードを聞く場合は機器の重さも質のうちですから重さそのものが値段なのかもしれません。(2万4800円)(5千円ごと機能が増える、わかりやすい価格設定ですね。)

● ION 製品のサイト


(追記:6月18日)
ブログ内関連記事
● ビックリ・レコードプレイヤー ELP社のレーザー・ターンテーブル

2008年5月16日

かぎ針編みのハンドバッグ


夕飯のおかずを買いに石神井公園駅前商店街を歩いていると、いつものように化粧品屋さんの店先にはおばちゃん向けの帽子のワゴンや手提げをいっぱい掛けたスタンドが出ていました。しかし今日は通り過ぎざま私のアンテナが「ん?」と反応したのです。いったん振り返ってから、やはり後戻りして手提げを見に行きました。いったい私に何が見えていたのでしょう?

夏に重宝しそうなかわいいかぎ針編みのハンドバッグです。裾広がりの小振りな形が、ありそうでなさそうです。艶のある太い糸で、化繊でしょうが、Chevronが鱗のように立体に折り重なっているのが凝っています。開口部はもっと広くてもいいと思いますが、ちゃんと磁石の留め具が着いていますし、裏地が張ってあってチャック付きの内ポケットもあります。私はここまで作れません。それにこれを1玉800円のオリムパス・スピードで編んだらいくらかかるか‥‥‥‥これは1050円なのです。(Rue du Bac・神戸アルファルファ/中国製)

持ち手の部分は同じ糸でしっかり包んであるため、素手でもったらひとたまりもなく真っ黒になりそう。気をつけて使いたいと思います。(5月14日)

(handbag)(crochet)

2008年5月14日

マッチ、いくつか



「いつでも貸すぜ、my hands」という猫のマッチ。マッチ棒には猫の足跡つき。否、猫の手か。



「人生のともしび」という図柄。「こけしマッチ」はメーカー名。「ガロ」的世界。



復刻版の図柄のマッチ。昔の意匠というものはときどき意味不明で、不思議な感じがします。これは稲穂(と思われるもの)に寄りかかった人物です。なぜか寒そうに毛布にくるまり、悲しげに見えます。

たばこと塩の博物館の売店にあったマッチです。後から見ると、買うほどじゃなかったかもネ。(5月5日)

(matchbox)

2008年5月10日

ITMSの 〈I Will Survive〉



グロリア・ゲイナーで私が持っているのは〈Walk On By〉のシングルだけです。(もちろん45回転のドーナツ盤の話ですよ。70年代ですからね。)ラジオか何かで聞いて気に入ったのでしょう。でもグロリア・ゲイナーを1枚持つなら〈I Will Survive〉であるべきで、〈Walk On By〉を買うならディオンヌ・ワーウィックであるべきで、私は昔からレコードを買うときにメガヒットを外すところがありました。(でも後から本家ディオンヌ・ワーウィックの〈Walk On By〉を聞いて、洒落た軽さに拍子抜けしましたけど。)

ITMS(iTines Music Store/アップルの音楽ダウンロード)はすべての音楽を網羅してはいませんし、いわんや日本版ITMSは。しかし「大ヒット」とはすさまじいもので、グロリア・ゲイナーの〈I Will Survive〉はオリジナル以下本人のライブ、セルフカバー、リミックスで72種類、他の歌手のカバーを含めると150種類近くありました。やはり本人が一番ですが、ダイアナ・ロスも悪くないし、日本人の尾藤桃子さんもいいし、変わったところでは「ラの歌」という題でサポータース・ミッションなる人々がサッカーの応援歌として「ラ・ラララ〜」と合唱して盛り上がっています。いまさらながら名曲というものの底力を見ました。

どうせなら最初の録音が欲しいのですが、ITMSはなぜか本当のリリース年の記載がありません。70もある中で最初の〈I Will Survive〉はどれか? それは意外と簡単で、題でわかります。〈恋のサバイバル〉と書いてあるものです。当時は欧米のポップスには邦題を付けるのが普通で、それが「恋のナントカ」「愛のナントカ」ばかりだったからです。この邦題で思い出すのが桃井かおりで、当時(70年代)彼女がラジオの深夜番組でこの曲をかけたときのことです。邦題に異議をとなえ、原題は〈I Will Survive〉だが「survive と survival は違う」といい、この「survive」は「一人でもやっていけるわ」というような意味なのだ、と。しかるに「サバイバル」は「生き残り」ではないか。「『恋の生き残り』じゃねえ‥‥‥‥」とけだるく語ったのでした。

(1)とまれ〈恋のサバイバル〉を買いました。3分18秒。
(2)翌日、やっぱり同じ録音(と思われる)の7分59秒のバージョンを聞きたくなりました。
(3)40過ぎた声?のセルフカバー、4分25秒のもの。
(4)そして4曲メドレーのリミックス、9分40秒のもの。
以上4個、各150円。70年代のドーナツ盤は1枚400円でしたっけ?

ついでに目についた所にあった(5)バッハの「バイオリン協奏曲第二番」と去年からショッピングカートに入っていた(6)ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」も購入しました。

ITMSでは一昨年の夏にずいぶん買いました。公然の裏技で英米からも購入できますし、夜中でもその場でダウンロード+カード払いで買えるのですから便利です。また、とうの昔に廃盤になってそれきりの曲がかなり復活していて、1曲でも買えるから嬉しくなりました。しかし年のせいか形がなく音だけというのが何とも奇妙に感じたものです。またバックアップ、コンピュータの認証など関連の知識や作業も必要で、多少面倒でもあります。その体験談は別途まとめたいと思います。(5月9日)

(music)(gloria gaynor)(i will survive)

2008年5月9日

グロリア・ゲイナーの 〈I Will Survive〉

〈Young@Heart〉の映画の話を知り、YouTubeのビデオを見て涙して、あらためてグロリア・ゲイナーの〈I Will Survive〉を聞きたくなりました。実はお婆ちゃんたちの歌ではすぐに題名が出てこなかったくらい、長いあいだ聞いていませんでした。iTunes Music Storeで試聴して、いい声だなあと聞き惚れました。当時の私の印象では、グロリア・ゲイナーはそれほど美人ではないし、カバー曲の多い二番どころの歌手でした。でも今聞くとすごく上手くて、カバー曲でも自分の物にして歌っていたのだとわかりました。そしてお買い物を済ませると、次はこちらに見とれました。

ご注意: すごく音が大きい動画です。音量を最小に下げてから開始してください。


(見えないときはこちら

(なんじゃ〜このクリップ〜と思うかもしれませんが、MTV以前のプロモーション・フィルムは超大物スター以外こんなもんです。)調べると〈I Will Survive〉は1978年10月発売。翌年にかけてアメリカ、イギリスをはじめ世界中でナンバーワンの大ヒットでした。日本でもある年代以上なら誰でも聞いたことがあるでしょう。歌の中身はだいたいこんな感じではないかと。

はじめは恐かった。凍りついた。
あなたがいなきゃ生きていけないと思っていた。
でも毎晩毎晩、あなたが私にどんな仕打ちをしたか考えて、
私は少しずつ強くなって、どう進めばいいかわかったの。

それなのに今日、帰ってきたら部屋にあなたがいる。
どこからか戻ってきて、悲しそうな顔をして。
こんなことになるとわかっていたら鍵を替えておくんだった。
キーを置いていってもらえばよかった。

さあ帰ってよ。出ていって。あなたなんかもう歓迎してないんだから。
別れを切り出して私を苦しめた人じゃなかったの?
私が粉々になっていると思った? 臥せって死んでしまうと思った?
違うのよ。私は生きるの。愛さえ知っていれば人は生きていける。
私には私の人生があるし、愛も持っている。だから一人でやっていくの。

駄目にならないように力をふりしぼらなきゃならなかった。
ぼろぼろの心をつなぎ合わせようと必死だった。
夜がくるたびに自分を哀れんで泣いた。
でも今はまっすぐ顔を上げている。

だから別人に見えるでしょう。
もうあなたに恋して鎖に繋がれていたときみたいな子供じゃない。
あなたは私が待っていると思って寄ってみたくなっただけ。
でも私の愛は私を愛してくれる人にとっておくんだから。

だから帰ってよ。出ていって。
‥‥‥‥‥‥‥‥

私の人生では縁のない情景なのに、私の前世が反応するのでしょうか。こうして歌をきき初めて歌詞を読んで、歌の中の女の子がどれほど苦しんだか、そして一生懸命生きて前へ進もうとしている姿が目に浮かび、胸がいっぱいになって、ばかみたいにまた泣きました。相手を前に毅然と「I will survive」を繰り返しながら、本当はまだ少し迷いがあって自分に言い聞かせるようでもあり‥‥‥‥こういう機微がグロリア・ゲイナーの歌から伝わってくるからです。すごいと思います。(追記:訳の終わりのほうに誤訳が露呈。現在修正済み。文末の「追記」をご参照ください。6月12日)

英語の授業では「will」の文を「未来形」と習いました。そうなんですが、でもその本質は「意志」であって、「I will survive」とは「私は将来surviveするでしょう」ではなく「私にはsurvive する意志がある」なのだ、ということが彼女の力強い歌によってすごくよくわかります。この歌は何よりも「意志」の歌、「女の意志」の歌だったのですね。自らの意志をもって「ノーと言える女」、すごく真面目な歌です。だから女達が「何故?」と問い直しはじめた時代、世界中の人達の心に迫ったのでしょう。YouTubeのコメント欄には「この歌は当時の女達のアンセムだった」という書き込みがありました。(anthem ‥‥‥‥ う〜ん、辞書を引いてくれ!)一つの歌が一編の小説一本の映画と同じ力をもって多くの人を励ましたのだと思います。

1970年代は60年代末から続く「女性解放運動」(women's liberation)(the emancipation of women ともいうらしい)の時代でした。「自立する女」が時代の象徴であり、新しい女を模索するような映画、小説、音楽‥‥‥‥たくさん描かれました。夫に若い女ができて離婚させられた中年の奥さんが次に出会った理想的な男のプロポーズを「断る」というだけのハリウッド映画が、何故断るのか不明のままスバラシイと絶賛されたような時代でした。時流に乗る人達には「女が断る」ことが画期的で、「ノー」と言うだけで「時代の女」だったのかもしれません。

この曲を聞きながら思い出したのがヘレン・レディーの「私は女(I Am a Woman)」でした。「やろうと思えば何でもできる。私は強い。私は無敵。私は女〜♪」という、まさに時代の歌でした。でも今この歌を合唱しようと思う人はいないでしょう。誰も歌っていないし、陳腐です。ある意味で、そこで歌われたことはその後の女達の社会進出により現実の世界である程度実現してしまったからかもしれません。80年代に入れば、映画「9 to 5」のように、女の出世がテーマになっていきました。

いっぽう「I Will Survive」が描く情景は、いくら社会が変わっても個人で解決するしかない恋愛問題であり、その点で普遍性があります。同じ情景は16才の女の子にも、37才のキャリアウーマンにも、62才の主婦にも、いつでも起こりえます。だから2008年に私が聞いても同じ強いメッセージが伝わってきます。現在MTVを見ている若い女の子達がこの歌や歌詞をどう思うかわかりませんが、彼女達を励ます歌はあるのでしょうか。今のMTVはポルノまがいといわれるほど性の誇示ばかり、一転女々しいバラードばかり。ポップスは後退したんでしょうか。

ところでグロリア・ゲイナーは今どうしているかと思い、探してみると‥‥‥‥ありました。 ☟ ぜひクリックしてください。

● グロリア・ゲイナー・ドットコム

す、すばらしい! 30年歌い続けた貫禄。堂々とした姿。声は低くなりましたが張りがあって、いっそう見事な歌いっぷり! 聴衆は私くらい〜上の年齢の人ばかりのようですが、懐メロを喜んでいるだけとは思えません。「Anthem」なんですよ。

ライブの彼女はある言葉を前に、勿体をつけて、誇り高く大仰に鼻をこすって見せました。それはyoung@heartのお婆ちゃんの歌でみんなが一斉に「イェーイ!」と呼応したのと同じ「I grew strong」という言葉です。それがこの歌のもう一つの核でしょうか。「強く成長した」ということをどういう日本語にすればいいのかわかりませんが。生きていくには、困難を前にして誰でも成長して強くならなきゃいけないし、そして賢く判断して先へ進まなければならない。それは何才になっても同じです。最初は失恋から立ち直ろうとする女の子の歌であったものが、恋を通した人生の歌へ、歌もまた成長したのですね。だからこそ彼女は30才でも50才でも今も将来もこの歌を歌い続けるし、そういう彼女の姿がまた人々を励ますのでしょう。私は励まされましたよ、ほんと。(だからもっと上手く書きたかったのに、トホホ‥‥‥‥)

← www.lyricdownload.com

↑ ここに英語の歌詞を入れたんですが、消えてました。↓ 
お手数ですが、ここからジャンプして見に行ってください。(2011/4/11)


公式サイトのライブ(2006年9月)、最後まで聞きたかった向きはこちらをどうぞ!



↑ ここ見れなくなってますね。↓ 頭と尻尾が切れていて残念ですが、同じライブが現在こちらで見れます。(2011/4/11)




ブロブ内関連記事
● ロックする老人 5月8日付(前のページ)
● ITMSの〈I Will Survive〉 5月10日付 次のページ)


(追記:6月12日)
● 洋楽雑記帖 A Notebook of Western Music
多々野親父さんのブログ。グロリア・ゲイナーとこの歌の客観情報、歌詞、訳を見ることができます。

実は私、歌詞を読みながら「and expect me to be free」がよくわかりませんでした。そこで後から他の人の訳を見てまわりました。多々野親父さんの原文は「And so you thought you'd just drop by, And you expect me to be free.」で、訳は「‥‥‥‥(無断引用禁止ですが連絡手段がないのです)」です。「so you thought you'd just drop by」とは聞こえませんが、ハアなるほどと思いました。

こちらも必見ですよ。最高にカッコイイ訳、シビレました。数ヶ国語に堪能な方だそうです。さすがです。
● L'Oneiropompe  夢先案内猫さんのブログ。

明日は日本語ペラペラのPさんと会うから、ここの所をちゃんと教えてもらおうと思います。

(追記:6月15日)
はい、ネイティブのPさんに教わりました。
--so you felt like dropping in, and expect me to be free
free の意味はいろいろあれど、この free は「 Are you free now? 今ヒマ〜?」の free だったのですね。ですから歌詞の意味は「私がヒマだと期待して」となります。さらにニュアンスとしては同じ「ヒマ」でも「あなたのために時間を空けている」ような種類の「ヒマ」の感じだそうです。ナルホド。ですからそういう「ヒマ」を期待してフラリとやってきた you に対して 「私、ヒマ人じゃないわよ、もうおことわり」というわけですね。タハッ。理解しました。そして、その感じで上の訳を訂正しました。(「意志」を語っておきながら私の「訳」の文章では意志の力を感じないなあと思います。読んでしまった人は、ぜひ夢先案内猫さんの訳を読み、かつ歌の強さで補ってください。)

長いこと誤訳をさらして、この間に見てくださった方、すみませんでした。(笑っちゃったでしょうね。ハズカシ。)
どうかもう一度、訂正後の文を見に来てくださいますように。


(追記:2011年7月)
歌の訳(というより内容ですが)の部分を少し修正しました。「寄ってみたくなっただけ」という所です。

(music)(gloria gaynor)(i will survive)

2008年5月8日

ロックする老人

私、TBSラジオのお昼の番組「ストリーム」を1日遅れのポドキャストで聞いています。火曜日の「コラムの花道」は町山智弘さんが「Young@Heart」という映画を紹介しました。(とりあえずこっそり☟)


要約すると、映画は〈young@heart chorus〉というロックやパンクを歌うグループの練習や公演の様子を伝えるドキュメンタリーのようです。イギリスで大受けして、その後本国アメリカでも大人気とのことですが、それがみんな80、90のお爺ちゃんお婆ちゃんなのです。公演に向けて練習する間に死んでしまった人がいて、デュオで歌う予定がソロになる。公演当日には立つこともできず座って歌う、鼻に酸素の管を通して踊る‥‥‥‥なにか、もう、すごい話です。残念ながら日本でこの映画の公開予定はないそうです。

というわけで、これがそのYouTubeの一つです。
動画が見られない場合はこちらで。(しばらくは右側の「温故知新なのじゃ」もどうぞ。)



動画のタイトルに〈Staying Alive〉とありますからビージーズの歌で、あの「サタデーナイト・フィーバー」だとわかります。わかりますが‥‥‥‥すごすぎます‥‥‥‥ そして思いもよらない展開でした。ノーマン・ロックウェルの絵から出てきたようなお婆ちゃんがプールバーの片隅で切々と歌いはじめます。「最初は一人がこわかった、でも私は強くなった。あなたなしで生きてみせるわ」‥‥‥‥70年代の大ヒット 〈I Will Survive〉 です。あやしげなバイオリン、鬼気迫るお婆ちゃん、そして老人達がいっせいに両の拳を振り上げて「I will survive!」‥‥‥‥ですって?! そして乾杯。すばらしくて、かっこよくて、ボロボロ涙が出ました。何度も聞きました。

みな長く歌って来た人達だそうです。いい声で上手くて、若い者には真似のできない歌です。でもどうしてこんなに泣けるのか理由を考えました。また、残念で悔しいけれど、日本ではありえないと思いました。百年かけて伝統を断絶したからです。でもそういう話は長くなるのでまた後日。(5月7日)

● young@heart chorus 公式サイト!
● TBSラジオ「ストリーム」のポドキャストの案内、ダウンロード、登録はここ


(追記:7月14日)
今日見てみると、上に埋め込んだyoung@heartの動画("Staying Alive" と "I Will Survive" をからませたもの) は著作権云々で削除されていました。日本で公開の予定がない映画だけに残念です。(同じ動画の "I Will Survive" の部分だけの動画が残っていましたから、そちらを埋め込んでおきます。)



(music)(young@heart)

「渋谷系Tシャツ」だそうです


「ジーンズメイト」という名前のいわゆるジーパン屋さんで、男物の専門店だったようです。渋谷の通りを歩いていると歩道にせり出した棚にTシャツが山と積んであって、上にはハンガーにかかった見本がいくつも出ていて、それが面白くていくつか手に取ってみました。この写真のシリーズ以外にも昔の商店の藍染めの前掛けを思い出させるような紺地のシャツ、その他いろいろあり、日本語の文字がデザインとして生かされているのがナカナカいいと思ったのです。このTシャツは他に白地とえんじ色、種類もいくつかありました。生地は所々太さの違う糸が入って横すじのようにデコボコした厚めの綿ジャージです。男物しかないため、私が着るとXLくらいの感じです。

(このお店で問題だと思ったのは、値札に1900円とあるのにレジで消費税を追加したことです。何年も前に値札には税込み価格を表示することと決まったのですよ。税抜き価格は税込み価格と併記してもよい、という話なのであって。)


さて、私はこのシャツを着て一人で歩けるのでしょうか。少なくとも渋谷には行かないと思います。(5月5日)

2008年5月7日

「日本音楽まるかじり」

◆「日本音楽まるかじり」-- Have a big bite of Japanese music (CD2枚組/ビクター)

夜の10時を過ぎたというのに渋谷のHMVが開いていて、なんとなく入ってしまいました。音楽はとんと聞きませんし、今どきCDを買うとしたら昭和歌謡しか思いつきません。大きいお店でも意外と置いてないのよねと思いつつ一階を眺めていると、一番奥にナツメロなどの棚がありました。歌謡曲大全集やムード歌謡決定版など手に取りますが、オムニバス盤はとかく好きじゃない曲や「時代がちょっと違うんじゃない?」という曲が入っていて買うに至りません。別に買わなきゃいけないわけじゃないのにアレコレ見ていると、こんなのを見つけたのです。ジャケのイラストもかわいいし。「邦楽」ではなく「日本音楽」です。収録曲の内訳を見出しで言うと、


縄文の音
雅楽
声明(しょうみょう)
琵琶
能・狂言
沖縄古典音楽
地歌・箏曲
三味線音楽
胡弓
尺八
アイヌ音楽
民俗芸能・民謡
新日本音楽
現代邦楽

ということで、全61曲。1曲あたり100円弱。52ページ(英訳を含む)の解説付き。とても興味深い内容です。楽器の音色も人の声もふだんの暮らしでは耳にしないものばかりで心地よく、総身にしみる日本の音だなあと思います。しかしとても残念なことに多くの曲が2分前後、途中で終わってしまいます。監修が放送大学の先生のせいか、放送大学の授業にぴったりというか‥‥‥‥。観賞用ではなく参考書と割りきるなら最高かもしれません。でもこれってどうなんでしょう? 外から見える曲目欄には個々の収録時間が記載されていません。そりゃあCD1枚に30曲なら、平均で1曲あたり2分程度になるはずですし、タスキには「速攻理解できちゃう、超お手軽《音の豆辞典》登場!」と書いてありますけど‥‥‥‥(5月6日)

白鳳の海老ソバ


渋谷でチェーン店ではない食べ物屋を探すのはなかなか大変です。

今日は白鳳という中華料理店の看板を見て近づいてみました。西武ロフトからセンター街に向かう途中です。地下一階のお店ですが通りにメニューが出ており、海老ソバがあったので食べてみることにしました。入ってみると落ち着いた雰囲気の立派なお店じゃありませんか。そして海老ソバですが、おいしかったのです! ゆるやかなトロミが上品な感じです。細くて縮れた麺も独特で、スープは濃すぎず薄すぎずコクがあって美味しくて、具の彩りも良く、私は気に入りました。(プリプリの海老が5つ入っていたのに、下にもぐっていて写真に一つも映らなかったのは撮影者の不覚でありました。いや盛付けの問題か?)値段は税・サービス料込みで1095円です。

帰りにもらったお店のカードを見るとこのお店しか書いてありませんでしたから、チェーン店ではなさそうです。さすがです。(5月6日)

2008年5月6日

門の3階は 〈Mon Jr.〉


渋谷でチェーン店でない喫茶店を探すのはなかなか大変です。

タンメンでお腹いっぱいになれば、次はコーヒー休憩です。「門」というお店の前は何度も通ったことがありますが、お酒のお店だと思っていました。よく見ると3階はレストラン&カフェだと書いてあり、行ってみるとなんとも家庭的なお店でした。とても渋谷の真ん中とは思えません。コーヒー550円は私には少し高いのですが、これは隠れ家ですね。(5月5日)

兆楽のタンメン


渋谷でチェーン店ではない食べ物屋を探すのはなかなか大変です。

覧会を見たあと渋谷の町を歩くうちにおなかが空いてきました。「兆楽」という中華屋さんに入ってみました。中央が厨房でカウンタが囲んでいるという格好で、麺類とご飯ものの庶民的なお店です。タンメンはしょっぱい口だけれど、野菜がいっぱいで昔ながらのタンメンらしい味で私はOKです。ふと見ると餃子が6個で200円と書いてあります。お土産で2つ作ってもらいました。合計で990円。庶民的です。(餃子は家庭で作るくらいの普通の大きさで、これはお買い得。)

お店を出ると何のことはない、宇田川町の交番の所で、「龍の髭」の反対側でした。(龍の髭はいいんですけど、お店が小さくて、食べるのに窮屈なのが難なんですよ。)(5月5日)

煙草煎餅(たばこせんべい)

さすが「たばこと塩の博物館」、こんなお土産を売っていました。「煙草煎餅」ですよ。中身の見本が出ていて、タバコの葉っぱの形をした瓦煎餅のようです。なんとも飄々とした感じがします。17 x 11.5 x 5 センチ、お土産らしい大きさで軽くてお値段もお手頃。因みに「たばこは入っていません」との但し書きがありました。博物館のオリジナルではなく、神奈川県秦野市の亀本という所が作っている神奈川県指定銘菓です。(5月5日)

2008年5月5日

「西アジア遊牧民の染織」展(2)



◆ 「西アジア遊牧民の染織」展覧会カタログ
なんと図録がありましたから飛びつくように買いました。160点もの品物をオールカラーで印刷して1200円とは、とても有り難いことです。絨毯やキリムの本は洋書にたくさんありますが、袋物をこれだけ載せたものはまずないでしょう。しかし印刷の色はかなりトホホです。全体に黄色が強すぎて赤が明るすぎて、けばけばしく、自分が見た印象とはずいぶん違います。しかし、たぶん色の再現よりも、本に入る大きさに印刷しても模様がはっきり見えることを優先したのでしょう。袋物を見ていると、それ自体の珍しさ美しさだけでなく、絨毯やキリムといった大きな織物のパターン(模様)を袋物の大きさにどう応用しているかにも面白さがあると思いました。その意味では、模様の形や色の境目がわかることのほうが後々資料として役に立つはずです。たとえば模様を起こすときなどです。

2008年5月3日

アルマイトの片手鍋


三鷹の駅前商店街を歩いていると、歩道までせり出した陳列棚にお鍋が積んでありました。そこにアルマイトのお鍋があったのです。近頃珍しいアルマイト。アルマイトはアルミの表面を加工したもので、お鍋としては(毒性があると主張する学者もいた)アルミよりいいと思うのですが、近頃とんと見かけません。ステンレスやテフロン加工したものが主流のようです。各種ありましたが、うちで一番使うのは片手鍋です。普通のと小さめと迷いましたが、小さいほうにしました。という所でまわりを見ると、それが家具屋さんだったので、面白いなあと思いました。(直径16センチ、850円くらい)

いろいろ高級化するご時勢ですが、高級ならいいとも限らないのがお鍋だと思います。(厳密に調べると、アルミ、ステンレスなど種類によって、スパゲティがよく茹だるとか煮物が美味しい等々適性があるそうです。私はそこまで気にしませんけど。)私がここ数年好きなのはちゃんと作った雪平鍋です。おかずを作っているという気分がします。いっぽう昔ながらのアルミやアルマイトのお鍋は軽いところが好きです。(とくに最近は後遺症で左手が弱くなってしまいましたから。)ゆで卵、お味噌汁、あるいは野菜を茹でたりお出汁を引くなど、火にかける時間が短く焦げる心配のないものには厚くて重いのやノンスティック(焦げつき防止)のお鍋である必要もなく、軽いのが一番です。(4月29日)

2008年5月1日

三鷹天命反転住宅


4月29日、靴作りのI親子、理系のYさんと一緒に、4人で「三鷹天命反転住宅」に行きました。荒川修作の「死なない家」の一つとして、世界中に紹介されている建物ですが、ここにお住まいの写真家・飯富崇生さんと芦刈いづみさんを訪問したのです。とても強烈な体験で、すぐに言葉にできません。とりあえず行ったという記録です。


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緊 急!

飯富崇生さんと芦刈いづみさんはアメリカ移住のために、8月10日(日)をもってギャラリーを閉鎖するとのこと。ついては8月8日〜10日は予約無しで開放するそうです。このブログ内のこちらのページをごらんください。


● 飯富崇生さんのギャラリー@三鷹天命反転住宅 (7月26日付)

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